友人が経営するパブ。4月から始まった愛知県の休業要請を受け入れ一時休業していたが、5月7日に、休業要請が延長したことで、ついにこらえきれず閉店を決めた。
このパブは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い来客数が激減。月々30万円のテナント家賃の支払いのほか、従業員の給与、その他固定費の支払いが重くのしかかっていた。突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置であるセーフティネット保証制度(4号)も、夜のお仕事は保証制度の対象外。国の持続化給付金や愛知県の休業協力金などさまざまな支援策についても検討していたが、今月に入り、ついに経営を断念した。
友人が閉店を決断した最大の理由は、新型コロナウイルス感染症の収束の見込みが立たないこと。いつまで借金を重ねればいいのか全くめどが立たない。今閉店すれば、借り入れも限定的であり、コロナが収束した後、再び店を出すこともできるが、このまま借金を重ね倒産してしまうと、再チャレンジが困難になる。
愛知県は5月末まで延長するとした休業要請の見直しに着手している。しかし、未だに休業要請は解除されているわけではなく、安易に「休業しろ」だけでは、こらえきれない店が相当数にのぼっている。むしろ今必要なのは、いかにしたらクラスター発生を確実に回避しながらナイトクラブやパブ、ライブハウスなどの営業を継続することができるかといった疫学的な根拠。しかし、行政が発信する情報や統計データ等があまりに乏しく、個々の店では対応できないのが実情だ。