どうすれば天守閣木造復元を進めることができるのか

「ヨコちゃん、天守閣木造復元を進めるには、どうしたらいいんだ?」議会内でもよく問われる。しかし、あまりにも課題が多く、正直、本当にできるのかどうかは私にもわからないし、文化庁も「特別史跡内における天守閣の木造復元は過去に例がなく、その時期を見通すのは非常に難しい。」と答えるのみ。一方、河村市長や観光文化交流局長は「2022年末の木造復元は可能」と断言。強気の姿勢を崩さない。しかし、私にはその根拠がわからない。

さて、天守閣木造復元に向けた市民の夢や願いは決して小さくはない。一方で、文化庁や石垣部会との間で「天守閣木造復元事業」がかなりの不信感を生んでいるのも事実。文化庁の宿題を放置したまま事業を進めても、「永久に実現しない(関係者)」との意見もあるほど。

しかし、文化庁も石垣部会も木造復元自体に反対しているわけではないとしている。では、どうしたら天守閣木造復元は実現するのか。

文化庁が再三指摘しているのが「2022年問題」。石垣の保全計画や現天守閣の評価などに取り組んでいては「2022年末完成」に間に合わないため、名古屋市として一向に宿題に取り掛かれないのが実情だ。また「2022年末完成」を掲げる限り、竹中工務店もヒノキを切り続ける。「2022年末完成」を断念することで、木材の調達、いわばヒノキの伐採を止めることも可能だ。

また、このままでは許可の出る見通しもない「現天守閣解体申請にかかる現状変更許可の申請」の取り下げも事業を進めるにあたっての絶対条件となるだろう。現天守閣解体と木造復元の申請を分離した申請などありえない。

また、学芸員が不足する現体制では、文化庁や石垣部会の要求に十分こたえることは困難だ。そこで、石垣部会の先生に、「名古屋城の一員として、天守閣木造復元の前提となる石垣の調査、保全方法の検討、現状変更許可の申請などお手伝いいただけないか」とヨコイから要請させていただいた。先生は笑いながら「ごめんこうむりたい」とのお返事をいただいたが、まずは、文化庁等から求められている宿題をしっかりこなす体制づくりが求められる。なお、先生からは、「天守閣の解体に必要となる現状変更許可の申請に必要な石垣の調査に5~6年、取りまとめに2~3年は必要」とのアドバイスをいただいている。

これら課題に取り組んだとしても、必ず現状変更許可が取得できるとは限らないが、名古屋市には不退転の決意で「木造復元の実現」に向け、不退転の決意で取り組んでほしい。
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横井利明
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