文化庁の許可を得てから木材を調達して

DSC_0721昨年6月定例会において、河村市長より提出された「名古屋城天守閣木造復元事業にかかる木材の調達に関する契約議案」に対し、自由民主党名古屋市会議員団は、「木材の調達に当たっては、文化庁から与えられた課題を確実に解決し、現状変更許可の見通しを立てた上で計画的に行うこと」との要望(条件)を付して賛成し、可決した経過がある。

しかし、当局においては、今木材を調達しないと木材が手に入らないなど誤った認識のもと、自民党市議団の「賛成条件」に耳を傾けることなく、すでに725本の木材を購入。さらに令和元年度には17億円の木材を調達する構えを崩していない。また、今定例会においても、経済水道委員会での審議において、浅井市議からも、要望が守られていない旨の懸念を表明しており、木材調達のみ先行して行うことの問題を再三指摘してきた。

一方、未だ、文化庁における現状変更許可の見通しが立っていない状況であることは、今般、市長が木材保管庫の設置にかかる補正予算を取り下げたことからも明らかとなっている。それどころか、関係者の中には、10年以上見通しが立たないのではないかと懸念を表明する識者もいる。

この申し入れに対し、河村市長は、「(文化庁の)第三専門調査会が近く開かれ、できる限り早く結論を出すと聞いている。天守閣木造復元のような議案は自民党が賛成しないかん。」と、現状認識に大きなずれがあるばかりでなく、議論が全くかみ合わない状態。ヨコイから「人の意見にも耳を傾けるように」とくぎを刺したが、議論は平行線のまま。

いずれにしても木材の先行取得は多大な保管料が必要になるだけでなく、機械乾燥で木を痛める可能性があり、さらに長期の保管で利用が困難になる木材が出る可能性も指摘されていることから、直ちに見直す必要に迫られている。
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横井利明
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