検体採取・PCR検査の積み残しが始まった

名古屋市内における新型コロナウイルス感染症の患者数は日々増加しており、陽性患者を受け入れ、懸命に治療に当たっている医療機関の負担が日々、ひっぱくしている状況にあることから、市内医療体制の維持とその支援や検査体制の強化を図るため、名古屋市は、名古屋市医師会と協力し、屋外ドライブスルー方式でPCR検査を集中的におこなうPCR検査の検体採取に特化した「名古屋市PCR検査所」を5月21日から設置している。

同検査所の設置により、PCR検査を行っている医療機関の負担軽減につなげるとともに、医師が検査の必要があると判断した場合、ただちに検体採取をおこなうことができることから、従来のように医師が検査の必要があると判断しても保健センターがPCR検査をしてくれないといった問題が解消されていた。

しかし、ここ数日、市内医療機関の皆様から、「名古屋市PCR検査所の予約をオンラインで取ろうと思っても、すでに枠が満杯で予約が取れない。」との指摘をいただいている。実際、7月29日に予約を取ろうと思ってパソコン画面を開いても枠が残ってなかったことから、名古屋市医師会に電話したところ、「8月まで予約は難しい。」との回答だったという。

この背景にあるのは、7月中旬から始まった新型コロナウイルス感染症の急拡大。それに伴い、検査所への予約が殺到し、予約が取りにくくなっている状態、検査採取が困難な状態となっている。

■ 名古屋市PCR検査所での検査までの流れ
感染疑いの人

かかりつけ医に電話して受診

かかりつけ医はオンラインで名古屋市PCR検査所の予約

かかりつけ医は検体採取日・場所(非公表)を感染疑いの人に知らせる。

感染疑いの人は車で名古屋市PCR検査所へ

名古屋市PCR検査所でドライブスルーにより検体採取(1日30件を上限)

民間検査機関で検査

翌日に結果の連絡

また、従来より、保健センターによるPCR検査ルートとして、市内医療機関で採取した検体を名古屋市衛生研究所に送り、1度に80検体を検査できる機械を使って1日に2回、最大能力160検体の検査を行っている。しかし、7月29日には最大能力に近い155回のPCR検査を実施するなど、すでにPCR検査のキャパシティは上限に達している。これ以上患者が増えるようなことがあれば、名古屋市衛生研究所にはもうPCR検査を行う余力は残っていないのが実情だ。

そこで、名古屋市に対し、市内大学医学部、PCR検査が可能な病院、民間検査機関、愛知県衛生研究所等のPCR検査の余力を直ちに調査するよう指示。市内には1日数千検体を調査するだけの医療資源があるとされており、こうした「余力」を活用してさらにPCR検査を安定的に迅速に実施してほしいというもの。ただ、そこでも問題になるのは、検体採取にかかる医師や看護師の不足。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大で、わが国のそして名古屋市の医療にかかる人的資源の不足といった問題が浮き彫りになった形だ。
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横井利明
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