名古屋市内企業の倒産件数は低く抑えられているものの…

コロナ禍による企業経営への甚大な影響が広がっているものの、名古屋市におけるここ1年間の市内企業倒産件数や負債総額をみると、新型コロナウイルス感染症の影響は数字には表れていない。リーマンショックの際、連日企業倒産が続いた時とは全く違う様相を呈している。

これは、持続化給付金や雇用調整助成金、そして、無担保無保証、利子補給に保証料無料の「ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金」など制度融資の効果が企業の資金繰りを下支えしていると考えられているからだ。米国やヨーロッパ各国など諸外国に比べても企業倒産件数や失業率も低く抑えられ、日本のコロナにおける経済対策はむしろうまくいっていると評価すべきだろう。

■ 倒産件数の推移(名古屋市内)
令和元年6月 22件(負債総額 14億円)
令和元年7月 35件(負債総額 26億円)
令和元年8月 23件(負債総額 13億円)
令和元年9月 27件(負債総額 22億円)
令和元年10月 26件(負債総額 9億円)
令和元年11月 25件(負債総額 9億円)
令和元年12月 22件(負債総額 19億円)
令和2年1月 31件(負債総額 28億円)
令和2年2月 19件(負債総額 14億円)
令和2年3月 22件(負債総額 16億円)
令和2年4月 28件(負債総額 53億円)
令和2年5月 7件(負債総額 6億円)

なお、5月が極端に少ないのは、新型コロナウイルスに伴う裁判所や弁護士事務所の業務縮小により、破綻処理の停滞が続いたことが影響しているものと考えられる。

では、新型コロナウイルス感染症が引き続き感染拡大した場合でも、市内企業の倒産件数が低いまま推移するかといえば、答えはノーだろう。さらに感染症の拡大が続けば、「ナゴヤ新型コロナウイルス感染症対策事業継続資金」等による運転資金の調達がショートする秋口ぐらいから、持ちこたえることができない企業が増大するのではないかとみられている。

制度融資をさらに拡大したとしても、結局は返済しなければならない資金であることに変わりはなく、やはり新しい生活様式を心掛けることとともに、感染が拡大する夜の街への対応を進めながら、ワクチンや薬の開発を待ちつつ新型コロナウイルス感染症の感染拡大に向き合いぐらいしか方策はなさそうだ。本当にやっかいなウイルス。
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横井利明
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