小規模校に関する地元意見の聴取開始

いよいよ名古屋市が小規模校への取り組みを本格化させる。その第一歩は、学区連絡協議会やPTAへのヒアリング。

小規模校のデメリットは決して少なくない。

■ 児童生徒の学習面
 ・集団規模が小さいと体育や音楽での学習そのものの成立が難しい。
 ・運動会・スポーツ集会などでの集団活動の活性化が難しい。
 ・話し合い活動や協働作業的な活動で、学習内容の深まりや広がりが難しい。

■ 児童生徒の生活面
・学級編成替えがないと、学級のルールや児童生徒の中の価値観が固定化されがちになり、多様なものの見方、考え方を学んだり、そこから児童生徒自らが新しいルールや学級文化、人間関係を作り上げようとする機会が少なくなる。
・単学級になると児童生徒は卒業まで同じ学級集団で過ごすことになり、人間関係が固定化される。また、人間関係上の問題等が発生した場合には、学級編成替えなどによる問題の解消が難しい。

■ 学校の運営面
・単学級では学年を一人の教員で経営することになり、指導計画、評価計画、教材研究等を全て個人作業で行うことになる。また、共同研究が難しく、教員相互の連携や切磋琢磨する機会が少なくなる。
・校務分掌や地域社会との連携、教育委員会等への調査報告等で、教員一人当たりの役割が相対的に多くなる。
 ・緊急対応時や学級経営に問題が生じた場合等、他の教員による支援体制を構築することが難しくなる。 

しかし、小学校の統廃合に対する地元の理解はなかなか進まず、また、教育委員会においても、地元の反発を恐れあと一歩が踏み出せない状態だ。

今回、名古屋市教育委員会は、小規模校を抱える学区連絡協議会やPTAへのヒアリングを通して、今後の小規模校対策を加速させたい考え。小規模校は今後、どんどん進む可能性が高く、一刻も早く手を付けなければならない行政課題だが、解決のカギは、統廃合を通して、子どもたちや地域が抱える課題の解決をどう進めるのかを地元住民とともに考える機会の確保だろう。

■ 教育委員会がヒアリングを実施する地域・PTA関係者
北 区 六郷小学校、飯田小学校
中村区 中村小学校、豊臣小学校
昭和区 白金小学校、村雲小学校
港 区 野跡小学校、稲永小学校
南 区 柴田小学校、白水小学校、千鳥小学校
守山区 本地丘小学、守孝東小学校、森孝西小学校、森孝中学校
天白区 高坂小学校、しまだ小学校
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横井利明
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