国会議員年金は議員特権と批判してきた河村市長がこっそり受け取っていた??
国会議員年金は議員特権と批判してきた河村市長がこっそり受け取っていた??
在職10年以上の国会議員に給付される国会議員互助年金は、第3次小泉改造内閣によって2006年(平成18年)4月1日に廃止された。
さて、このパネルは、2004年(平成16年)2月17日 テレビ朝日スーパーモーニングで放送されたもの。番組をすべて確認したが、河村市長は「国会議員年金は特権の特別なやつ」「廃止すべき」として徹底批判。議員特権である国会議員年金の廃止を番組内で強く訴えた結果、国会議員年金は国民の批判を浴びるところとなり、冒頭申し上げた通り廃止となったが、この余波を地方議会も受け、地方議員年金も廃止となった。
地方議会議員年金廃止方針が打ち出された時点で、私自身も議員年金の受給資格はあった。支給額は決して多くはないが、自治体が年金を支払い続けるという実情を考えた時、将来にわたる地方自治体の負担につながる議員年金の受給はとても市民の理解は得られないと考え、掛け金の一部は返還していただいたものの、地方議員年金については私は辞退をさせていただいた。
そのような折、河村市長の所得等収支報告書を拝見したところ、「旧国会議員互助年金法に基づく普通退職年金等」と記載され、所得報告をされていることから、河村市長が議員年金を受け取っていることを知った。確かに、5期16年余にわたり衆議院議員をつとめられたわけであり、受給資格はあるが、国会議員年金を議員特権として徹底批判されていた河村市長が、まさか受給していたとは本当に驚いた。
衆議院議員を5期16年余つとめてきた河村市長が、議員は2期までとの公約を掲げてみたり、市長の多選は5期からと自分だけは特別な存在であるかのような言動を繰り返す身勝手な政治姿勢に対しては、この議会でもたびたび取り上げられ問題になっている。今は亡き父から「言行齟齬は人間にとって最も醜いことだ。利明、よく覚えとけ。」と常々、言い聞かされ、私もそうならないように心して政治活動に邁進してまいったが、「自分だけは特別」といった姿勢は本当に残念なことだ。
さて、衆議院事務局に、「国会議員年金は強制的に支給されるものなのか。」とお尋ねしたところ、「退職5年以内に申請がなければ受給資格はなくなる。」との回答をいただいた。つまり、河村市長はわざわざ議院事務局に対し、自らが議員特権と批判してきた議員年金を「わしにもくれー」と請求し、受け取っていることになり、議員特権を自らの意思で享受していることがわかった。市長の見解をうかがえばきっと、「市長を退職したら国会議員年金は寄付する」と答弁されるものと思いますが、800万円以上の議員報酬は別途積立て、議員を辞めたら寄付するといいながら退職後の取扱いについては公表されない議員が多い昨今の減税日本市議の行動を見る限り、にわかに信じろと言われてもなかなか信じられない気持ちもある。そして、仮にお亡くなりになれば、積み立てられた議員年金は、全額ご遺族に相続されることになるし、さらにご遺族に対し遺族年金という形で、全額国費を原資とする支給は続くことになる。
自らが特権と批判してきた国会議員年金の受給は、河村市長を信じ支えてきた多くの国民や有権者の期待や願いを欺く行為であり、私は残念でならない。
なぜ、国会議員年金受け取り辞退という選択をしなかったのか、そして、年金掛け金はすでに停止になっているため、支給される国会議員年金の原資は全額国の税金となるが、「税金を食って」議員特権を享受する自らの姿勢に対し、国民に対して、説明責任を果たす必要はあるだろう。