陽氣会へ

IMG_9209青少年養育支援センター「陽氣会」を尋ね、杉江健二陽氣会代表、陽氣会が進める「イライラしない子育て講座」松原悟講師、近藤敏矢講師からお話をうかがった。

陽氣会が目指すのは、平成2年度の統計開始以来、29年間連続で増加する児童虐待相談対応件数を減らすこと。児童相談所等でも虐待など子どもの人権にかかわる問題が発生した場合、地道な対応をしていただいているが、あくまでも対処療法にとどまっており、陽氣会は児童虐待の発生抑制を実現するため、「イライラしない子育て講座」を通して、保護者の子どもへの向き合い方を学ぶ機会を提供している。

現在、名古屋市から「保護者支援事業」を受託し、児童虐待に至ってしまった保護者の支援を実施したり、保護者等に対する「イライラしない子育て講座」を提供したりする活動を行っているが、年々増加する児童虐待相談対応件数年間(令和元名古屋市3,892件)への対応をもっと進め、虐待そのものを減らしたり、子どもの健全な発育を妨げる行為である「マルトリートメント」に対する啓発を進めていきたいというのが、「陽氣会」杉江健二陽氣会代表の願いでもある。

そこで、「陽氣会」が名古屋市に提案しているのが、児童虐待防止活動におけるSIB(Social Impact Bond)の提案だ。これからパパママになろうとする方々・子育て中のに家庭に対する支援、不幸にして虐待に至ってしまった方々への支援などを通して、児童虐待等に係る行政コストを大幅に削減できる可能性があるとしている。

今後、成果指標のあり方など検討を重ねたうえ、日本では例がないとされるSIBによる児童虐待防止活動への取り組みの実現が期待されるとともに、横井利明も幼稚園・保育園等の保護者や小中学校PTAなどでの「イライラしない子育て講座」の取り組み、そしてSIBの実現など、ぜひ応援していきたいと考えている。

■ 青少年養育支援センター「陽氣会」
住所 昭和区折戸町5-33
電話 052-751-4055
取り組み
・不登校
・ひきこもり
・非行
・親子関係不調
・発達障害などに悩む保護者への支援など

■ SIB
官民連携の手法の一つ。2010年にイギリスではじまった。
行政サービスを民間のNPOや企業などの民間に委託し、民間の資金提供者から調達した資金を基に事業を行い、事業が予め合意した成果を達成した場合にのみ行政から資金提供者に報酬が支払われる。事業の成果を評価して可視化し、それに評価結果と支払を紐づけた、成果連動型民間委託契約の一つとして位置付けられている。
民間資金によって社会的コストを削減する事業が実施できれば、行政コストも削減されるうえ、資金提供者がリターンを受けることができるという仕組みであり、事前に設定された目標が達成されない場合、行政から資金提供者への支払いは発生しない。
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横井利明
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