「稼げる大学」づくりの危うさ

 大学院生として過ごした釧路市で、お世話になった教授とも久しぶりに会うことができ、恐縮しきりにあいさつさせていただきました。いろんな思い出がよみがえりました。

 居心地が良かったのか、モラトリアムを楽しみたかったのか、修了2年のはずが1年オーバーするほど好き勝手していた私を、あたたかく見守ってくださった恩は忘れません。一方で、まだまだ余裕があった時代だったかもしれません。

 いま政府は大学関連予算を減らしたうえ「稼げる大学」をめざせと、これでは学問環境を劣化させることになりかねません。国会質疑のなかでは、国立大学の授業料の上限とされる値上げも否定しない答弁もありました。

 この法案に反対する署名は、教職員を中心に18000人分が提出されています(こちら)。学問に競争原理を持ち込み、自力で研究資金を手に入れろとなれば、軍事や利益優先のところまで手を伸ばすことになりかねません。学問が歪めかねられないのです。

 私が学んだ教育大学というのは、「稼ぐ」という基準では測れない大学です。それでも政府の意向で巻き込ませようとすることには、きっぱりNOと突きつけたい。恩師に会うことができて、その思いを強めました。

 今日は釧路市で街頭宣伝や「つどい」など、まさに分刻みで夜まで駆けまわりました。この時期は、まだまだ朝晩に暖房を入れる寒さの釧路。同じ市内でも大楽毛地域では風が強くガスもかかり、手袋をしながら支部のみなさんと宣伝に取り組みました。

 ある介護職場での「つどい」では、職員不足の実態などとともに「夫は単身赴任で子どもたちは進学など、4つの釜戸状態。物価高騰は何とかしてほしい」「大人には飲み食いを認めながら、子どもたちには修学旅行などガマン。子どもの時間は取り戻せないことを国会で訴えて」などの要望も。しっかり受け止めます。

 別の会場ではロシアへの懸念が次々と出されました。羅臼町や標津町からは「国後島で軍事演習もしている。本当に心配だ」との声もあると聞きました。漁師だったという方は、若いころはよく択捉まで漁に行ったとのこと。目の前に見える島だけに、同じ道内と比べても釧根地域の不安の度合いは違うのだと実感しました。

 明日は根室市へ、紙智子参議院議員・佐々木とし子比例予定候補とまわります。ロシアに最も近い選挙区の予定候補として、あらためて現地の声をしっかり聞きたい。

 【今日の句】学問を ゆがめる国に 未来なし

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畠山和也
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