汚職大国ウクライナ

1月24日、ウクライナでは多数の政府高官が辞任した。贈収賄などの汚職が原因で解任されたのである。ロシアとの戦争の最中に汚職がはびこるということは、常識では考えられないことである。ウクライナ国民が苦難に耐えて一致団結して抗戦しているという「美しい神話」が世界中に流されていただけに、驚きを以てこのニュースに受け止めた人が殆どだろう。しかし、実は汚職こそウクライナの十八番なのである。 Transparency International の調査による腐敗認識指数世界ランキング(2021年)をみると、全対象国180カ国中、最もクリーンな1位はニュージーランド、2位がフィンランド、3位がデンマークとなっている。日本は18位である。ドイツが10位、イギリスが11位、カナダが13位、フランスは22位、アメリカは27位、イタリアが42位である。 最下位の180位は南スーダンである。ウクライナは122位で、ロシアは136位である。いずれも汚職が当たり前の政治風土となっている。共産主義体制の下では、「万民が平等」という謳い文句とは正反対に、権力者に富が集中し、生き残るためには、上から下まで賄賂を使うのが日常茶飯事となっていた。ロシア人もウクライナ人もそのような社会の中で生きてきたのであり、それはソ連邦が解体した後も全く変わっていない。 ソ連邦崩壊の過程で、ロシアと同様に、ウクライナでも国営企業が民営化され、富が一部のオリガルヒ(政治的な影響力を行使する富裕な実業家)に集中する状況になった。 たとえば、2014年のマイダン革命でロシアに続きをみる

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