橋本聖子会長就任の背景

 森会長の後継として、橋本聖子氏が決まった。 内外の世論の反発が、森氏を辞任させ、女性の橋本氏を選択させたようだ。 とりわけ決定的だったのは、国際社会の反響である。海外のマスコミの反応を見ると、森発言は「sexist(性差別論者)」だという批判が前面に出ていた。  多様性を尊重する国際社会はジェンダーの問題には極めて敏感である。LGBTという性的少数派への差別は厳しく糾弾される。 したがって、「女性は」とか「男性は」とかいう主語そのものが不適切なのである。とりわけオリンピック・パラリンピックは、国際的なイベントであり、国籍、信教、人種など、あらゆる差別が禁止されている。 第二は、選挙が迫っているという事情である。7月4日には都議会選挙が行われる。そして、秋までには衆議院の選挙がある。 小池都知事時は、2月17日に予定されていた4者会談(都、国、組織委、IOC)に「出席しない」と早々に表明したが、それは、森失言を利用して、自分に世間の注目を集め、選挙に勝とうと目論んだからである。 小池都知事以外にも、菅内閣打倒を目指す野党などの勢力がいる。東京五輪中止ということになれば、菅政権が窮地に陥る可能性が高まるので続きをみる

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