日韓対立の解消を困難にする要因

 10月2日、北朝鮮はSLBMを発射し、アメリカに揺さぶりをかけたが、5日のスウェーデンでの米朝実務者協議では、その効果が出ず、協議は決裂した。今こそ日韓の防衛協力が必要なのであるが、8月22日、韓国政府は、日韓のGSOMIA破棄を決定した。日韓関係は、今や最悪の状態にある。 その背景には、パーセプション・ギャップ(gap in perception)がある。 元「徴用工」問題は、日本側は日韓基本条約で解決済みと考えているが、韓国側は個人の請求権は無くなっていないという立場である。 日本による植民地支配ついて、韓国側は、「日本帝国主義」がすべての悪の根源であるということで思考停止してしまい、日本は謝罪すべきであると主張する。 植民地化されたほうの物的・心理的被害は甚大であり、日本人はそのことを忘れてはならないが、韓国の謝罪要求には、「いつまで謝罪を続ければ気が済むのか」という反感が日本人の間で高まってくる。 韓国側は、「帝国主義の時代に、なぜ朝鮮は日本の植民地になってしまったのか。当時の指導者階級の両班は、日本の武士に比べて何が欠けていたのか」と自問すべきである。それは、日本を免罪するためではなく、日本悪玉論では掴めない歴史的要因を把握することが不可欠だからである。 次の背景は、メディア、そして「対外硬派」の支持者たちである。日本の安倍政権は右翼的要素が強いし、極右も含めて、そのような政治思想の人々が支持している。「徴用工」の問題は、国際法的に韓国続きをみる

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