令和2年度予算(4) 法人市民税減税を廃止して始めた企業寄付促進特例税制は…

「誰も感謝してくれん!!」

市民税減税を全く評価しようとしない名古屋市民に対して、常々「ぼやいて」いた河村名古屋市長。減税日本にとって命の次に大切な市民税減税のうち「法人市民税」の廃止を、令和元年度予算において決めた。法人市民税廃止に伴う財源34億円のうち、その半分である17億円を子ども支援などの重点政策に配分し、残りの17億円を新設する「企業寄付促進特例税制」に割り当て、寄付文化の醸成に努めようとしたもの。なおこのプランを描いたのは飯田財政局長だとささやかれている。

実は企業寄付促進特例税制はスゴイ制度。法人が寄附金として合計5,000円以上を支出した場合、寄附金額の69%に相当する額を名古屋市から還付を受けることができる。法人の寄附金の損金(経費)算入による31%分と合わせると、企業が納める法人市民税の2.5%までという制限はあるものの、寄附した全額を経費として、また残りを名古屋市から還付されるものであり、法人にとっては使わない手はない。

なお、「企業寄付促進特例税制」は令和元年度、2年度の2か年のみ。令和元年度は企業の決算期の関係で6億円の「企業寄付促進特例税制」の財源が予定され、平年度化する令和2年度は17億円、令和3年度には8億円分、法人の寄付に対して還付を予定していた。

しかし...

令和元年10月におこなった決算委員会で、令和元年度、6億円予定していた「企業寄付促進特例税制」の財源の執行が年間700万円程度、予算の1%にとどまる見込みであることが分かった。つまり、法人寄付はその全額を市の還付または損金算入によってその全額を復元できるにもかかわらず、それでもなお、99%の法人は「寄附」をしないという現実が浮き彫りになった。

そこで名古屋市は...

「どうせ、使われない企業寄付促進特例税制。令和2年度予算で17億円を確保するくらいなら、ぜーんぶ使っちゃえ。」とばかりそのほとんどを一般財源として充当してしまった。その結果、令和2年度における企業寄付促進特例税制の予算は17億円から2億円に大幅減額、残りの15億円は子ども支援などの重点政策に配分してしまった。

こうして、河村市長にとっては「命(法人市民税減税)と引き換え」に始めた制度(企業寄付促進特例税制)であるにもかかわらず、全く利用されず、結果的に、ただ単に法人市民税を廃止しただけということに...

最近では、「誰も感謝してくれん!!」と個人市民税についてもぼやくことが多い河村市長。個人市民税についても、近々、何らかの見直し案が出されるかもしれない。

■ 法人の皆様へ
市内法人が寄付した場合、納めている法人市民税が還付されます。税理士さんと相談のうえ、法人住民税の確定申告と同時に「企業寄附促進特例税制に係る法人の市民税減免申請書」を名古屋市に提出してください。寄付額の69%(上限:企業が納める法人市民税の2.5%まで)が名古屋市から還付されます。

■ 企業寄付促進特例税制 (←click)
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横井利明
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