国民と意思疎通ができない菅首相

菅内閣の支持率低下が止まらない。 菅内閣支持率が過去最低を更新し続けている理由は、菅首相の言葉の貧しさにある。官房長官のときは、毎日の定例会見で、各省の官僚が用意したメモを淡々とのべ、それだけに厳しい質問も少なかった。自らの言葉で語らないことが、そつがないナンバーツーとして評価を高めることになったのである。 しかし、内閣総理大臣となると、自らの言葉で国民に語ることが重要であり、役人が準備した会見草稿を超える内容を語ることが必要である。マイナスを極小にすることばかりに専心すると、感動を与えるような話はできなくなる。 政権発足時、昨年9月16日の就任記者会見で、「私が目指す社会像は『自助、共助、公助、そして絆』だ。国民から信頼される政府を目指したい」と述べたが、私は、自民党内で使い古された陳腐な言葉を新政権のスローガンとして採用したことに呆然としたものである。スピーチライターがいなかったのかと疑ったくらいである。 政権発足時に政権の目指すゴールを示す言葉としては、これは最低である。アメリカのケネディ大統領は1960年の大統領選で「ニューフロンティア」という政策を打ち出した。大胆な政策を見事に表現した言葉である。このように、言葉によっ続きをみる

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