金メダル噛みつきの代償
名古屋市在住のオリンピック金メダリストのAさんは、毎年12月にチャリティゴルフを開催し、参加者全員からひとり2,000円の寄付とともに、ドラゴンズの選手らから寄付していただいた協賛品のチャリティオークション売却益の全額を名古屋市社会福祉協議会に寄付してきた。名古屋市は多額のご厚意に対して、例年、市長名で感謝状を贈呈。最大限の謝意を示してきた。
しかし、今年に限っては、チャリティ参加者から「寄付先を名古屋市ではなく他の団体にしてはどうか」など、名古屋市への寄付に異論を唱える意見が多かったという。また、メダリストであるAさん自身も、スポーツ選手に対する敬意の念を感じさせない河村市長の姿勢や選手に対するセクハラ発言に抗議する意味で、今年の市長感謝状を辞退。「感謝状をもらったら私たちの小さな善意が汚れる」とした。
Aさんだけでなく、かなり広範囲に市長からの感謝状事態の輪が広まっている。また、名古屋市への寄付に躊躇する企業・団体の方々も多く、市政への影響が日増しに大きくなっているのが現状だ。2026年にはアジア競技大会が開催される予定だが、多額の企業寄付を前提にしているだけに、「アジア競技大会は本当にできるのか」といった声も出てきた。
金メダル噛みつき事件の代償はあまりに大きい。