名古屋市の感染状況を評価

中保健センターは、名古屋一の歓楽街である「錦三」を中心に拡大する新型コロナウイルス感染症を封じ込めるため、各飲食店のご協力のもと、陽性患者がでた飲食店従業員のPCR検査を積極的におこなっている。

カラオケバーや会員制クラブ、ナイトクラブ、ホストクラブ、キャバクラなど夜の飲食店のキャストらの集中的な検査を行った結果が、ここ数日の新規陽性患者の急増につながっている。市民の皆さまの多くは、連日の陽性患者の増大が市中感染の拡大と感じてみえるかもしれないが、決して市域内全体から陽性患者がでているわけではなく、あくまでも飲食店関係者やお客さん、そしてその家族や友人にとどまっている段階だ。

一方、夜の街における新規陽性患者の拡大が、ひとたび市中感染につながれば、もう名古屋市内で感染拡大をとめるのは極めて困難となる。今、名古屋市の感染症対策は崖っぷちともいえ、保健センター職員の連日のご尽力に感謝するとともに、地域医療を支える医療関係者の皆様、衛生研究所、発熱外来を抱える病院関係者の皆様に感謝したい。

■ 濃厚接触者の把握
名古屋市は今日まで感染拡大防止策として、患者を把握した場合、積極的疫学調査を実施し、濃厚接触者に対する健康観察、外出自粛の要請等をおこなってきた。しかし、新規陽性患者の急増で患者の濃厚接触者、健康観察対象者を追い続けるということ自体が膨大な事務量につながり困難になりつつある。また、夜の街の特徴として、人と人との関係を話したがらない方も多く、濃厚接触者を追跡するという従来の戦略については転換を迫られることになる。

■ 軽症者施設開設へ
統計データの上でも、新型コロナウイルス感染症の弱毒化が明らかとなっている。
〇 重症・中等症の割合(愛知県内)
2月 感染者数27人(中・重症10人) 中重症割合 37%
3月 感染者数149人(中・重症70人) 中重症割合 47%
4月 感染者数305人(中・重症74人) 中重症割合 24%
5月 感染者数22人(中・重症6人) 中重症割合 27%
6月 感染者数16人(中・重症2人) 中重症割合 13%
7月 感染者数350人(中・重症16人) 中重症割合 4.5%
※ 7月は1~23日

若者の場合、4~5日で陰性化する方が多いこと、また、7月以降軽症者の割合が比較的高いことから、軽症者施設の確保と適切な運用で、高齢者、基礎疾患のある重症・中等症の患者に医療資源を重点的に投入することが可能となりそうだ。医療の選択と集中を中重症者に割り振ることができれば、医療崩壊の回避も可能となる。

知事は7月28日をめどに、あいち健康の森健康科学総合センター健康宿泊館への無症状患者・軽症患者の受入れを進めるとしており、さらに、名古屋市内でも名古屋市健康福祉局と連携し軽症者施設を開設する予定。

いずれにしても、一人ひとりの市民の皆様が新しい生活様式に留意し、人ごみの中ではマスクを着用したり、手洗いをおこなったりするなどの生活習慣がとても重要だ。また、名古屋市における集団感染の共通点は、カラオケバーや会員制クラブ、ナイトクラブ、ホストクラブ、キャバクラなど「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触する場所」。夜の街における感染が拡大していることを考えると、当面の間、ご利用はお控えいただくようお願いします。
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横井利明
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