大門実紀史前参議院議員が「緊急提案」をもとにした聞き取りで来札し、私も同行しました。いま大門さんは、中央委員会の政策委員会で活動中。「緊急提案」をまとめるにあたっての話も聞き、あらためて多くの方に届け、懇談していこうと思いました。
うかがった先は札幌中部民商。すすきの地区もエリアで、会員の多くが飲食店という特徴があります。店にもよるでしょうが、コロナ禍前より客足は半分くらいといいます。スナックなどでも、地下鉄の最終列車までに帰る方が多いとのこと。
自営業者は、利益がそのまま生活費になります。しかし、その利益が薄い。民商として「要望を聞いて歩くと切なくなる。もう1年も2年もがんばってきたんだから、さらに『がんばって』とも言えない」という一言を、重く受け止めました。
事業に対する給付金は出されても、生活補償がありません。家賃や光熱水費など固定経費の負担が重く、給付金も支払いなどに消えていきます。「こんな時にインボイスなんて」「こんな時に軍事費を増やそうだなんて」との話も次々。聞きながら私も腹がたってきました。
札幌東部民商では会員さんを訪れました。古着屋を営んでいる店主さんは30代。他県にある卸倉庫まで仕入れに行ってるのですが、「もともと古着が好きで始めた仕事ですから」と笑顔で語られました。
異常円安のため輸入古着も1.5倍の値段になり、値上げせざるを得なくなったとのこと。しかし、たった1着だけという値打ちに固定客も多く、SNSを使った宣伝などの努力もされています。暗い話が多い経済状況のもとでも、夢は「本場の米国に行って仕入れてきたい」。店主さんの明るさに救われるような気持ちでした。
物価高騰には賃上げが必要で、道労連・三上友衛議長、中川喜征事務局長とも懇談。道労連として、道経連はじめ中小企業団体などとも懇談し、賃上げの対話を続けてきたといいます。一致点を築くことの苦労や、最賃を上げた後の「130万円の壁」問題も話題になりました。
職種や専門性に見合った「あるべき賃金」を打ち出し、合意にしていく重要性を三上さんは強調されました。保育や介護などで若干の加算がされましたが、全産業平均に届かないだけでなく、その専門性に見合っているのかを問いたいとのこと。働く誇りも取り戻すことになると思います。私もいっしょに力を尽くしたい。
歩いて懇談することは、いっしょに希望や意欲を生み出していくことにもつながります。引き続き進めていきます。
【今日の句】防衛と言いつつ 業者は守られず