ふるさとを大事にしたいからこそ

 根室本線(富良野ー新得)沿線の富良野市・南富良野町・新得町を、紙智子参議院議員とまわりました。鉄道写真を撮ろうと橋上で待っている方、幾寅駅で代行バスを待っている高校生などにも会い、かけかえない鉄道の役割を肌で実感しました。

 富良野市では、宮田均市議ら「富良野鉄道未来の会」のみなさんと懇談。鉄路の維持・存続にとどまらず活用・発展へ、積極的な発信をしています。昨夏には車両2両を借りきってクラシックコンサートや撮影会、駅弁販売などをおこない満員に。好評だったそうです。

 駅のバリアフリー化やサイクルトレイン、今は道東地方までぐるりとまわる列車運行や旭川から札幌経由で新千歳空港へ行く代替ルートとして根室本線活用などの提言・署名にも取り組んでいます。だからこそ国や道が積極的な立場で協議に参加してほしいとの熱い訴えを、しっかり反映していきたい。

 そもそも根室本線は6年前に連続台風に見舞われて東鹿越-新得間が不通になり、とりわけ南富良野町に多くの困難がもたらされまさした。髙橋秀樹町長・酒井年夫副議長から、それぞれの立場での話をうかがいました。

 沿線4自治体の首長で鉄路維持は難しいと判断しつつも、「バスの利便性や運転手確保を考えたときに、本当に可能なのか」(髙橋町長)との懸念があるのも当然です。今でさえ、減便された分を補うため町が土日祝限定のバスを出していますが、これは高校生の部活などを考えたため。町立高校を支え、高校生の移動手段を守るために懸命なのです。

 南富良野町はダム建設のため、多くの農家・町民が苦渋の決断で移住をし、その時には当時の道知事から鉄道は残すからとの話もあったといいます。「JR社長は災害復旧すると言っていたのに、いつの間にか廃線すると。これまで裏切られっぱなしだ」(酒井副議長)との怒りも、また当然です。鉄路を残したいなら負担をという、地域に責任を押しつける鉄道行政でいいのか。

 最後は新得町にて「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の平代表・佐野事務局長との懇談。青柳茂行町議も同席しました。

 署名や集会、要請などを続けて6年間。話は鉄路だけでなく農業や少子化などにも及び、どれも共通して財界ばかりが潤う政治が根本の問題だということでした。このままでは地域だけでなく、日本全体がだめになるとの危機感です。

 それでも続けてきた原動力は何だったのか。佐野さんは国鉄で働き続け、政治が労働者・国民を切り捨ててきたことへの強い思いがあります。農業を営んできた平さんも、疲弊してきた地域の現実を目の当たりにして、「このままでいいのか」という思いがあったと言います。ふるさとを大事にしたい、という根底の思いがひしひしと伝わりました。

 鉄路を通じて見えるのは、さまざまな地域の課題。交通政策としても地域政策としても、もう一回り大きな視野で訴えていかなければとの思いを強くしました。

 【今日の句】つながっている 鉄路こそ意味があり

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畠山和也
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