声に出せない被害もあるはずだから

 今日は会議の1日。先日プレゼントでいただいた、五ノ井里奈さんの「声をあげて」も読み切りました。読み進めるのが辛くなりつつ、当事者である五ノ井さんが受けた辛さはこんなものじゃない、早く性暴力のない社会にしなければと心から思いました。

 五ノ井さんの出生地は石巻市(旧・河南町)。私と同郷ということだけで身近に感じ、本書に出てくる地名・店名なども私が知ってる場所ばかり。小さい頃からブルーインパルスを見て育ったという点も、この地域に住んでいれば当たり前のことなんです。

 五ノ井さんと自衛隊の縁を語るうえで欠かせない、東日本大震災。当時の詳細な様子は、私が両親などから聞いた様子と重なります。五ノ井一家がアパートへ引っ越した後に、ご両親が離婚されるなど震災の傷跡や苦労も痛いほど伝わってきました。

 その時に、被災者支援に汗を流していた自衛隊員。やさしさや激励を身近に感じ、自分も同じように役に立ちたいと入隊を希望した五ノ井さん。しかし、実際は尊厳を踏みにじる性暴力を受け、被害者である自分に非があるような仕打ちを受けました。

 何度も死にたいと思い、延長コードを首に巻こうとしたら突然の地震。震災のフラッシュバックもあったなか、五ノ井さんは震災で亡くなった人を思い返してたたかう決意をされます。その後は報道などで、多くの方が知るような経過をたどりました。

 実名で告発したことから、さまざまな誹謗・中傷、殺害予告までありました。同時に、世論の広がり、国会の動きなどもあって加害者からの謝罪まで進みました。心配や励ましを続けたお母さんのことと合わせて、胸が詰まる思いでした。

 性暴力を受け、それを告発するだけでも心身とも厳しいはずなのに、数々のセカンドレイプにも直面しました。五ノ井さんは応援してくださった方々への謝意を述べていましたが、私など何もしていないと自問自答しながら読み進めました。

 ぜひ本書にて実際にお読みいただきたいのですが、巻末には資料として、自衛隊内でのハラスメント経験に関するアンケートも掲載されています。驚くばかりでした。自衛隊の是非は脇に置いて、隊員の人権と尊厳は守られるべきと痛感しました。

 被災地における献身的な救援・救助を、実際に石巻市で見聞きしたものとして、その点でのリスペクトは私も欠かしません。だからこそ隊員を戦場へ送らせない、戦争する国家づくりには反対していきます。

 自衛隊の解消は国民合意で進めるというのが党の方針ですから、その間は自衛隊組織の民主化も必要になります。性暴力やハラスメントなど、もちろん根絶していかなければいけません。声に出せない被害が、きっとあるはずです。

 五ノ井さんが勇気を振り絞って告発したことを、しっかり生かしていかなければ。性暴力やハラスメントを許さない世論づくりに、私も力を尽くしていきたい。

 【今日の句】国会が 人権破壊 許せるか

 

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畠山和也
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