鈴木道知事は、正面から答えたか

 昨日の道議会で日本共産党・真下紀子道議が追及した、鈴木知事後援団体の「空パーティー券」疑惑を「しんぶん赤旗」はじめ各紙が報じています。会場の収容人数に対し、購入者数が約3倍でした。「法にもとづき適正」ということをもって、鈴木知事の政治的・道義的責任は問われないのでしょうか。

 この後援団体は先日、質問通告があった翌日に、購入者数を訂正しました。複数枚を購入している方もいるので、実際の購入者数は販売券数より少ない、という理由です。訂正は、質問通告をした翌日にされているので、慌てて直したというのが実際でしょう。

 その訂正だけで済ませていいのか、いくつかの問題を真下道議は指摘しました。(※以下の内容は、私が昨日の質疑を聞いて、私の責任でまとめたものです。より正確な内容は、議事録などが出された後にご確認ください)

 ●そもそも、なぜ収容人数以上の販売をしたのか
 訂正した人数でも、収容人数を超えています。その収容人数というのも、文字通りびっしりにした計算とのことで、実際はそれより下回ります。だから実質は献金となる「空パーティー券」ではないのか。この指摘に知事は正面から答弁しないで、「希望されるすべての方が参加できることが重要」だと、希望者は参加できたという答弁に終始しました。

 ●金額に見合った「対価性」は極めて少ないのでは
 2019年度以降に開催された3回のパーティーの利益率は、実に92~94%。それだけパーティーの「対価性」は低いということになり、この点からも実態は資金集めではないのか。この指摘にも知事は、「パーティーには様々な形態がある」とし、信条や政策を語ることを中心に後援会で検討された、と答弁しました。法律上は「対価」の明確な規定はないと答弁しつつ、利益率の高さは否定しなかった、といえます。

 ●購入者と道との公正・公平な契約に疑念
 政治団体の代表者は、ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長です。この4年間でニトリグループとして計700万円の購入があり、似鳥氏本人は150万円を寄付しています。真下道議の質問で、この5年間でニトリ社と道との契約は計12件・1.89億円と判明しました。「契約は適切におこなわれている」との答弁は当然ですが、今回の事態が発覚したわけですから、公正・公平な契約への疑念が生まれるのは当然です。

 ●知事は受注企業からの献金など辞退すべきでは
 その疑念を払しょくするには、せめて知事在任中は受注企業(今回で言えばニトリ)からの献金などの辞退をと真下道議が求めるのも当然です。法の問題ではなく、知事自身が政治的責任を重視して「辞退する」と言えば済むだけです。しかし、この質問にはまったく答えず、「個々の企業などの考えで献金されている」と自身の態度表明は避けた答弁でした。
 高橋はるみ元知事は、北海道電力がシンポジウムで「やらせ」を組織していた問題が発覚した際に、北電役員からの個人献金を辞退したことがあります。今回と問題の性格は違うといえ、知事自身が決断すれば、疑念を招かないよう責任は果たせるわけです。

 自民党の裏金事件は底なしで、目的や使途、始まった経過・再開した経過など、まったく説明責任は果たされず、真相も明らかになっていません。鈴木知事にも問われているのは、政治資金の透明性はもとより、道政も「金と利権」でゆがめられていないのかとの疑念に答えることです。

 知事という職は、道政トップとして中立公正な行政運営を担うもの。真下道議のこの問いに、鈴木知事は正面から答えたでしょうか。道議会HPでは後日に録画配信されるので、ぜひお聞きになってください。

 あわせて、カネにまみれた政治は許さないとの追及ができるのは、調べ上げた事務局はじめ日本共産党ならではです。裏金政治を終わらせようと、私も引き続き訴えたい。

 【今日の句】単純なミスと 言い逃れてないか
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畠山和也
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