アイヌ ネノアン アイヌ

 党道委員会主催の「アイヌ施策推進法見直しを考える集い」に、多くのご参加をいただきありがとうございました。人権保障の視点を持つという当たり前のことの具体化が、まだまだ遅れていることを実感しました。歴史を学ぶことが今日の議論に生きることも、あらためて学ぶことができました。

 北原モコットゥナシ(※シは小文字)教授(北海道大学アイヌ・先住民研究センター)に講演いただき、紙智子参議院議員(日本共産党先住民(アイヌ)の権利委員会責任者)が国会報告。その後に、参加者との意見交換の時間も持ちました。

 アイヌ施策推進法の付則には、施行5年を過ぎた段階で必要があれば見直すと定めています。法律上の課題、先住権をめぐる情勢と考え方などを整理し、今後に生かしていこうとの思いから開催したものです。党道委員会は年に1~2回のペースで、このような市民集会を開いてきました。

 北原先生の講演は、法の第1条「先住民族」・第4条「差別の禁止」を中心に、歴史も紐解いてわかりやすく話されました。「差別が生まれてきた歴史、不当さを知る」「マジョリティの特権性を見ずに、マイノリティの状況改善は議論できない」などの指摘に合点がいきました。

 さかのぼれる範囲で言えば、私の出自は和人。現代社会ではマジョリティです。自民・杉田水脈衆議院議員のようなアイヌに対する侮辱は論外ですが、同時に、上からの「思いやり」を基調とした議論でなく人権保障の視点になっているかと、みずからを問いながら講演を聞きました。

 実践すべきはマジョリティの側であり、国際的にはメキシコ大統領もローマ教皇も先住民への同化政策や虐待に謝罪して、歴史的責任を明らかにしています。日本政府としての謝罪がないゆえに、杉田氏のような執拗な侮辱や暴言が続くのではないのか。

 紙議員からは、法の見直しに向けた大前提にアイヌ自身の声が反映できる仕組みをと述べ、見直しへの主な柱として▼国際基準にたった見直し、▼先住権を認め、法に明記する、▼差別・ヘイト行為ををなくす措置を国と道の責務に、などに触れました。

 遺骨返還やウポポイのあり方、集団としての権利についてのほか大学生から「アイヌ語についての国会の関心は」との質問もあり、北原先生や紙議員の答えにも納得。このような議論を国が主催者として道内各地でおこない、法律の見直しへとつなげるべきです。北海道でも、私自身の課題として声をあげていきたい。

 紙議員とは、ラポロアイヌネイションのサケ捕獲権訴訟で弁護団を務めた市川守弘弁護士からヒアリングも。先住権についての考えの整理や札幌地裁判決のポイント、国際的到達点なども学びました。学び深めることの大切さを痛感です。

 この間の集会では「アイヌ ネノアン アイヌ」(人である人)という言葉が、くりかえされてきました。誰もが人間らしく生きていける社会にしていきましょう。そのためにも、歴史をきちんと学ぶことを大切に。私も貫いていきたいです。

 【今日の句】法律に アイヌ自身の 声をこそ
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畠山和也
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