ラピダスは大丈夫か

 政府系ファンドの投資によるジャパンディスプレイ(JDI)が11年連続で最終赤字の見通しとのこと。いわゆる「日の丸液晶」が不振ななか、今度はラピダスなど「日の丸半導体」の復活をという斎藤経産相の会見が報じられていました。

 JDIが発足したのは2012年。日立製作所やソニーなどの液晶パネル事業を統合し、産業革新機構が2000億円を投じました。赤字について斎藤大臣は、競争が激しくなるなか政府の支援が細切れになったと発言。もっと金を出すべきだった、ということでしょうか。

 その反省からラピダスには9200億円も支援するわけですが、かつて半導体ではエルピーダ社を発足したものの2012年に経営破綻した歴史があります。昨年、経産省からヒアリングした際に「同じ失敗がないようにしたい」と職員は言うものの、その確証は得られませんでした。

 産業支援は必要ですが、技術力や販路確保などに見通しのないまま、過度の財政支援は避ける必要があります。もちろん液晶や半導体は国内で確保できた方がいいでしょうが、安定的確保に向けた国際的枠組みについての外交強化も欠かせません。

 産業というなら、北海道では農林漁業が基幹産業。ラピダスなどへの支援に比べたら、あまりに農林漁業予算は少ない。かつて5兆円だったのに今や2〜3兆円と下支えが弱くなり、不安定さゆえに後継者も増えない、ということではないのか。

 ラピダスについては環境面への影響や、軍事物資としての活用も心配されます。産業は健全に発展をと、しっかり訴えたい。

 【今日の句】北の地に 根づく産業 支援こそ
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畠山和也
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