矢臼別へようこそ

 矢臼別演習場のど真ん中で、土地を売らずに平和の声を上げてきた故・川瀬氾二さんへの激励と連帯に始まった「矢臼別平和盆おどり」も、今年で59回目。多彩な文化プログラム、花火に盆おどりと、今回も夜が更けるまで交流が続きました。

 別海町議を務めた吉野宮子さん、住人のお1人である二部黎さんが亡くなり、開会式で心から哀悼の意を捧げました。誰にもあたたかく、朗らかに励ましてくれた吉野さんや、数々の作品を通じて平和の思いを発信し続けてきた二部さんがいないことは残念ですが、私も思いを継いでいきたい。

 小学校教諭を務めてきた寺川真幸さんが、新たに5月末から住人となりました。寺川さんの「矢臼別へようこそ!」とのあいさつに、大きな拍手が送られました。

 同じく住まわれている浦舟三郎さん、倉谷あみさんともども心からの敬意と連帯を表して、私も同じ思いでがんばりたい。開会式で党を代表して、あいさつさせていただきました。

 地元の中村忠士・別海町議からは、日米共同演習の監視行動について報告がありました。運ばれたはずのハイマースの基数と訓練での基数が違うことなど、長く監視行動を続けてきたからこそわかる話など、学ばされた報告でした。

 来月から矢臼別では、沖縄県道104号線超え射撃移転訓練も予定されています。いつも発射数などをカウントし、沖縄と「同質・同量」だから受け入れさせた論拠を突き崩してきたのは、この粘り強い監視行動があるからなのです。

 そして今年も充実の文化プログラムは、民族歌舞団「花こま」の車人形から始まり地元のみなさんのゴスペル、そして恒例の「新曲さくら」大合唱。花いかださんの新作は、私は時間の関係で見られず残念!

 文化は社会の平和あってこそ、平和は豊かな文化あってこそ。酪農郷で人間らしく生きる喜びを実感できるのも、矢臼別平和盆おどりならではです。

 夜空に花火が打ち上がり、かがり火を合図に盆おどりがスタート。輪になって踊る方だけでなく語り合う方や穏やかに休まれる方など、1人ひとりのペースで生きていい矢臼別らしい時間が過ぎていきます。

 私が平和盆おどりに初めて参加したのは、教育大大学院釧路校に通っていた1998年。今日も有志でうたごえを披露した、合唱団アンラコロに入っていたのがきっかけです。

 その後に川瀬さんや「さっちゃん」こと渡辺佐知子さんが亡くなったり、コロナ禍で盆おどりの開催どころか矢臼別に集まることさえできないなど、いろんな苦労がありました。それを乗り越えた力は、亡くなられた二部さんのほか浦さん・倉谷さん・寺川さんの存在や、粘り強く続けた道東地域の平和運動があったからこそ。

 宿泊所を建てられた清末愛砂・室工大教授の姿も。この時期はオープンキャンパスなどがあって来られなかったのが、今年は満を持しての参加でした。盆おどりは楽しく、ご一緒させていただきました。

 日本共産党は札幌から千葉なおこ道1区予定候補が、富士見市からは木村くにのり市議も、そして釧根地区委員会の地方議員も多く参加。久しぶりの方々との話も尽きず、あらためて平和な日本をと誓い合いました。

 【今日の句】地に足を つけた思いの この力
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畠山和也
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