昨日から調査・懇談で道東地域をまわっていた紙智子参議院議員と合流し、今日は根室市へ。領土問題や漁業振興を中心に、しっかり現状をうかがいました。
鈴木一彦・橋本竜一の両市議は、昨日の対道交渉を終えて帰路に着き、根室市へは日付が変わってから到着したとのこと。元市議の神忠志さんの力もお借りして日程準備をしていただき、本当に感謝です。根室漁業の柱の1つである昆布が、海水温が高いために早く枯れてしまったり、着床・着生しても十分に育たないなど、これほど切迫感ある事態かと驚きました。徐々に水揚げは減ってきたと言いますが、この2~3年の減少は急速なのです。
何らかの補償がなければ続けられない、と率直な話もうかがいました。気候変動による海水温の上昇が進むなか、国による研究体制の強化をとの要求も当然です。今年は乗りきれても来年は獲れるかわからないーー漁師にとって、これほど心配なことはありません。
ウニやトラウトサーモンの養殖へ、努力が続けられ、この秋にも養殖ウニの出荷が始まる予定もあるそうです。「ここまで海が変わると、管理しやすい陸上養殖も進めたい」と、若い漁師との相談を進める漁協も。この模索に応えるだけの、国によるじゅうぶんな支援を求めたい。根室市は水産研究所・栽培漁業センターを持ち、稚エビ・稚ガニ・稚ウニなどを育て放流するうえで大事な役割を担っています。実際に水槽を見ながらの説明を通じて、養殖にかける熱い思いが伝わりました。研究機関と合わせて、このような連携が今こそ大事だと実感です。
根室市へ来たら、千島歯舞諸島居住者連盟のみなさんとの懇談は欠かせません。あらためて島を追われた時の話や返還運動での苦労、墓参再開への強い思いをうかがいました。元島民の平均年齢が89歳に迫り、「もう一度、墓が残っている島へ」との願いを実現するために、どの党も力を尽くす時なのです。あわせて返還運動の継承について、リアルな課題もうかがいました。仕事をしながら全国へ啓蒙キャラバンをしていた時代も手弁当でしたが、3世・4世が背負う今の時代は国の支援なしには続けられない心配や悩みがあります。
「さらに返還運動をがんばれという政治家もいるが、日本の領土なのだから国が先頭に立つべきでは」との意見も、正面から受け止めたい。故郷を追われたのは、元島民の責任ではありません。どのように領土交渉や墓参再開につなげるか、日本共産党としても整理しなければとの宿題です。市民のみなさんとの「語るつどい」は、短時間ながら政党助成金などの質問が出され、紙議員からていねいな返答がありました。「今度こそはがんばって議席を」と、ありがたい激励もいただきました。
やっぱり地域に来ないとわからないことがあると痛感した1日。明日は別海町へ向かいます。
【今日の句】あの島は 今も変わらず 故郷だ