声を出す場が必要と

 フィンランド先住民の「サーミに学ぶ」と題した市民学習会に参加。先住権ともかかわり気候変動の影響やグリーンコロニアリズムについて、現地の様子を詳しく聞きました。学習会には紙智子参議院議員も参加しました。

 講演されたのはサーミ評議会の議長を務めるアスラック・ホルンバルグさん。昨年に浦幌町で開かれた国際シンポジウムでも詳しくサーミの現状を話されましたが、今回は講演時間も長く、多くの課題を話されました。

 「変わらない風景」が、サーミ先住民の信仰の柱。漁業や観光、トナカイ放牧などの生業も、この柱のもとでこそ。しかし気候変動がその柱を揺るがし、様々な適応を求められているのです。

 水温が上がりタラは北上し、越冬できるようになった蛾による被害もあると言います。外来種であるピンクサーモン(カラフトマス)が増え、ノルウェー政府が禁漁措置を取りますが、当事者であるサーミとの協議はありませんでした。

 持続可能なエネルギーにサーミは反対しないものの、大規模な開発により伝統的生業が困難になってもいます。トナカイは大型風車を避けるし、フィンランドでは過去に水力発電所建設によって7つの村が水没・移住も迫られました。

 森林伐採が進み、再生に300年かかるのではという実態も。環境保護の非サーミとも共同しながら、グリーンコロニアリズムへの大きなデモや裁判を起こしてきました。時間はかかるが「声を出す場が必要」との言葉は、多くの先住民に共通する課題と痛感しました。

 サーミの文化的享受権は表面的承認で、植民地的構造はなくなっていないとアスラックさん。評議会があり、アイヌ民族にくらべ先住権が行使されているように見えても、やっぱり実態をリアルにとらえることが大切だと学びました。

 キーワードの1つとなったのは「共同」。私も、この立場で力を尽くしたい。今日の学習会は、北海道大学 先住民・文化的多様性研究グローバルステーション(GSI)、ラポロアイヌネイション、北大開示文書研究会の共催でした。

 【今日の句】植民地主義 はね返す共同を

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畠山和也
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