地域へ強引に押しつけるな

 安心して住み続けられる地域に!との思いがあふれる場となった「有害掘削土から手稲の水と安全・健康を守る会」との懇談。準備していた資料の数より多くの方が足を運んでくださり、願いや思いのたけをうかがいました。

 1万筆を超える署名が札幌市議会へ提出されるほど、地域では不安・心配の声が広がっています。新幹線の札幌延伸の是非は問わず、手稲区金山地域を要対策土の受け入れ地にしないでほしいとの一心なのです。

 当時の新聞もいただきましたが、今から33年前の12月28日、国道や鉄道など交通は寸断、住民には避難待機命令が発せられるほどの濁水が廃鉱から噴出したのです。記事の見出しには「黄色い鉄砲水走った」「黒い流れに住民不安顔」など、有害重金属が含まれていました。

 このような記憶が生々しく残るなか、なぜ金山地域が要対策土の受け入れ地として選ばれたのか--住民なら誰もが疑問に思うことです。加えて小中学校や病院、老人介護施設に通称「こどもっくる」(道立子ども総合医療・療育センター)も近くにあり、多量に出るであろう粉じんへの不安もつきまといます。

 以前にも書きましたが、取水する星置川の上部に受け入れ地があることとなります。飲料の貴重な川であるとともに、星置川に遡上するサケや貴重生物もいることを恥ずかしながら初めて知りました。自然環境が豊かなことから、渡り鳥も多くいるそうです。地域のみなさんがこの環境を守ってほしいという思いが、歴史や自然を知るほどによくわかりました。

 2030年度末までに札幌延伸をと、一部政治家や経済界からの声が聞かれます。しかしトンネル区間が8割となる延伸工事は、この残土問題の解決抜きに進みません。住民の願いや環境保全を無視して、強引に進めることなどあってはならないのは当然です。完成を前倒しして急ぐことが、地域に矛盾を押しつけることになってはいないでしょうか。

 国や道、札幌市での課題も整理していく必要があります。何より大事な足場は「安心して住み続けられる地域に」。私もできる限りの力を尽くしたい。

 【今日の句】ふるさとの幸せ みんな願ってる
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畠山和也
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