第一次産業にも学生にも支援を強めて

 休業要請や「自粛」などは第一次産業へも影響が。和牛の繁殖農家では子牛販売価格が10万円減、木炭業者も「焼鳥屋さんが閉店」(苫小牧)などで出荷量減少と、多方面に打撃が表れていることを痛感です。

 一昨年の胆振東部地震から23回目となる厚真町。室内は避けて外で短時間、話ができるという状況も考えての聞き取りでした。伊藤富志夫町議が連絡をとって、準備してくださいました。

 昨年11月に訪れた「かまだ木炭」さん。窯も稼働し、原料となる原木も積まれていて、地震直後の収入ゼロという状況は解消できてきたそうです。ところが今回はコロナ禍。「飲食店などに卸せなくなっていくのではと、道内の同業者も含めて心配です」と代表の鎌田武一さん。

 1万人ほどが訪れる毎年6月におこなう「あつま田舎まつり」も今年は中止となり、炭火焼肉での消費も見込めなくなりました。「まだ飲食店が再開できる状況にないのなら、補助金などで支えてほしいです」との訴えは、あらためて切実な実態の反映だと痛感しました。

 和牛の繁殖農家である米田俊之さん宅も訪れました。海外輸出や東京五輪での消費も見込み、政府は和牛生産を推奨してきましたがコロナ禍により需要がなくなったため、和牛の在庫過剰と価格下落が進行しています。和牛枝肉(A4・去勢)平均価格は1月が2300円台/kgだったのに、4月は1704円/kgへと約25%減少となりました。

 政府主導による高級志向牛肉の生産は、裏を返せば一般食卓では国産牛肉の消費減少と、安価な輸入牛肉への依存となりました。国内和牛農家が苦しんでいても、外国からの牛肉輸入は止まっていません。「外国頼みの食料生産でなく、しっかり国内自給をする政治にしなくちゃ」と米田さん。まったく同感です。

 世界的には、人口増加と気候変動の影響により食料生産もひっ迫しています。こういう時に、日本の食料自給率は過去最低の37%のままでいいのか。今後の社会の在り方も、コロナ禍のなかで考えていく必要があります。

 札幌へ戻り、ZOOMも使って学生の現状を聞かせてもらいました。高等教育無償化プロジェクトFREEがおこなったアンケートでは1200人から回答があり、アルバイトの収入が「減少」「ゼロ」が68%、親の収入も「減少」「ゼロ」が54%に上ったそうです。まだ講義が始まらない状況とあわせて、学生生活もかつてない危機の状況です。

 インターネット上で学費軽減などを求める署名も、160以上の大学でおこなわれているそうです。一部の大学で独自の給付金なども具体化されていますが、大学の運営資金のことを考えれば国が支援策を強めるべきです。今日の聞き取りでも「丸々1ヵ月分のバイト代が消えた」「バイトをクビになった人もいる」などの話が次々。

 オンライン講義が始まる予定のなか「通信料は学生負担となれば重い」「ウェブカメラやヘッドセットは品薄状態で手に入らない」「使ったことのない学生へのサポートも必要」など、具体的な要望が出されました。上級学年の学生からは「図書館が開いてないので卒論の資料を集められない」「実習や就活のスケジュールがどうなるのか」など、来年のことも含めた心配も尽きません。

 聞いていて心に残ったのは「モチベーションの低下」でした。「休みの当初は予習や、せっかくだから料理の練習などもしてたけど、だんだんモチベーションが下がってきている」「生活リズムが崩れている。家で映画や読書も楽しんでいたけど、惰性的になって『これでいいのか』と思う」など、リアルな声を聞くことが大事だと実感です。

 こうやって交流することは、学生同士にも求められていたんだなとも感じました。早く終息をと願うばかりです。

 【今日の句】あの速報 地震でなくて 良かったが
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畠山和也
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