八雲病院の機能移転は延期を

 予定とされる8月から逆算して、今がストップさせるギリギリの月。国立八雲病院に入院する重度心身障害と筋ジストロフィーの患者さんは長時間移送リスクとともに、免疫力が低いだけに新型コロナウイルスの感染リスクも抱えます。先日は厚労副大臣へ、労組からも延期を求める要請を出しました。

 こちらで移転機能延期を求めるキャンペーン署名もおこなっていますので、ぜひご協力をお願いします。

 これまでもブログで紹介してきましたが、国立八雲病院は全国にも誇れる医療技術とスタッフの団結力で、重度心身障害と筋ジストロフィーの患者を支え続けてきました。この医療に誇りをもって八雲町に定住を決意した方や、そろって引っ越されてきた患者家族も多くいます。医師確保や利便性などを理由に、札幌市と函館市に新たな医療拠点が確立されるのはいいことですが、八雲病院から全患者を一気に移送するかは判断が必要です。さまざまな命や健康状態へのリスクを抱えている患者が多いからです。

 重度心身障害は、周辺の環境が変わることで障害が悪化しかねません。移送中にパニックなどを起こさないかと看護師さんが心配するのも当然ですし、そこまでして移送することが本当に医療を保障したこととなるのか、と思います。いっしょに時間を過ごしてきた看護師さんにも、悔しい思いをしている方もいると思うのです。

 私も何度か病院に足を運び、札幌での集会でも話を聞き、国会へつなぐ役割も果たしつつ、変わらない国立病院機構の姿勢を歯痒くも感じてきました。しかし、移送計画が(具体化と呼べるほどの中身ではないのですが)具体化されてきた中身を知り、本当にできるのかと不安が強まりました。まだまだ多くの方に知られていない問題だけに、こうやって書くことで少しでも多くの方へ知ってほしい。

 公立・公的病院の再編・統合については先日、加藤厚労相が結論の先送りを容認することを表明しました。感染症対策も含めて地域計画をつくる必要があるとの理由ですが、一方的な再編・統合への反対世論が強まったことが背景にあります。八雲病院の移転延期もできるはず。もうひと踏ん張りです。

 【今日の句】政府とて 患者本位を 望むなら
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畠山和也
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