多様性を認め合って、個性を尊重する豊かな社会をと活動している「さっぽろレインボープライド」実行委員会のみなさんとの懇談は、心が通い合う(と自分では思っているのですが)ものになりました。今の生きづらい日本を変えていきましょうと、エールも交換しました。
同実行委員会は、前身である「レインボーマーチ」から札幌でのパレードを続けて19回を数えます。私も「マーチ」の時代に、ゲイである知人が参加していたこともあって街頭行動にお邪魔したことがありました。上田文雄札幌市長(当時)が集会に参加したり、2017年に「札幌市パートナーシップ宣誓制度」もできるなど、このように声をあげてきたことが行政を動かすことにもつながっています。
コロナ禍でパレードを開くことには議論を積み重ねたそうですが、9月12日に実施することを決めて、そのための宣伝物などもいただきました。パンフレットには知事だけでなく道内35市すべての市長から寄せられたメッセージと、各市の取組みも掲載されていて、これだけ熱心に働きかけているんだと驚きました。35市のなかでも、広報や研修会にとどめず行政文書での性別欄廃止を実施している市もあり、少しずつでも広がっていることも実感できました。
それでも誤解や偏見は依然としてあるし、コロナ禍での苦労なども今日はうかがいました。「集うことができない、孤立してしまうというのは私達にとって大変なこと。当事者が当たり前のよう生きられる社会をめざしたい」「ネットでの中傷や『コロナ狩り』の風潮は、LGBTに対しても当てはまるところがある」などの心配や、医療機関や学校教育での理解と配慮、ホルモン治療での保険適用なども話題にのぼりました。
日本共産党が今年1月の党大会で、綱領にジェンダー平等・多様性の尊重を盛り込んだことや、トランスジェンダーの代議員から実態とともに変えていける展望が発言され、志位委員長も大会のまとめで過去に日本共産党が同性愛を性的退廃としていたのは誤りだったと表明したことなど、私からも紹介しました。自分が理解できないと避けるのでなく、わからないことも率直に聞きながら、共通の理解を土台としてつくっていきたいとも述べました。
パンフレットには次のような一文がありました。「LGBTにとっては生まれ育った家族が安心・安全な場所ではないことは珍しいことではありませんし、好きな人と家族を作るという選択肢すら与えられていません。こうした状況では、当事者同士が集うということはとても大切な意味を持っています」。身のまわりでも、社会的にも、孤立感を味わってきただけに、今日のような「何でも話していい」場と環境を、政治の側でつくっていくことが大切なのだと実感しています。
多様性を認め合う社会は、誰にでも公平な社会でもあるということです。生きづらい社会から、住みやすい社会への変化ということになります。まだまだ日本は、そこまで進んでいない。「ぜひ政治家からも発信してください」との、ご要望もいただきました。自分自身の生き方にも引き寄せて考えながら、しっかり発信していきたいです。
【今日の句】新しい社会は きっとここにある