先日、うれしい報告をいただきました。私が現職の時、下請け業者への代金未払いがあり質問したのですが、元請け会社の責任が裁判で認定されたというのです。未払い分の一部支払いが命じられ、確定したとのことでした。
宮城県石巻市で建設された災害公営住宅。従来は自治体が工事を発注しますが、民間が建てた住宅を、自治体が買い取る契約とされていました。施工業者はパナソニックホームズですが、外構工事を請け負ったのは梅本工務店で、そこから下請けへ。完成して支払いを受けるはずが、梅本工務店が失踪・倒産してしまったのです。自治体が発注していれば石巻市に元請け責任を求められますが、市は住宅を買い取っているだけ。行政責任もないというのです。「買い取り方式」の改善すべき課題と言えますが、ともかく下請け業者への未払い解決をとの思いで質問したのでした。
結局は裁判でたたかうことになり、一審は敗訴したものの、仙台高裁がパナソニックホームズを元請け会社と認定したのです。判決は昨年11月25日に確定し「しんぶん赤旗」でも報じられていたのですが、私が見落としていたのでした。先日、北海道に来た高橋千鶴子衆議院議員から教えていただきました。国会での質問が、少しでも原告の支えになっていたのなら幸いです。
この問題は公共事業のあり方や、元請け・下請けの適正な関係と責任の所在など、いろんな問題を含んで提起されていました。当時、国交省の官僚からも法制度上の観点をずいぶんと聞きましたが、なかなか現行法制では解決できる手立てがないまま質問に立ったことを覚えています。それなら裁判だと決断した原告と支援者には、心から敬意を表するばかりです。
すぐに解決できない相談というのは、少なくありません。解決まで時間がかかるとなれば、あきらめざるを得ないという方も現実にいます。それでも可能な限りの対応をし、くりかえし要請や質問をすることから前へ進むこともあります。今回の件も、あきらめないことの大切さと、支える人がいることの大切さを、あらためて学びました。自分の土台として、しっかり位置づけなければ。
【今日の句】接待も 時間をかけて やってたか