秋の訪れとともに、物価高騰の波が押し寄せている。食料品、ガソリン、光熱費など、日々の生活に不可欠な物やサービスの価格が上昇すれば、生活が立ちゆかなくなるのは当然である。国民の最大の不満は、そこにある。 事情は海外でも同じで、11月8日に投票が行われたアメリカの中間選挙での最大の争点はインフレだった。消費者物価指数は8.3%(8月)、8.2%(9月)と、高水準である。 イギリスで、首相就任後45日にしてトラスが辞意を表明し、スナクが後継首相になったのが、その背景にはやはり10%を超えるというインフレがある。 日本の直近(10月)の消費者物価指数を見ると、総合指数で3.7 %の上昇、生鮮食料品を除く総合指数で3.6%の上昇、生鮮食料品及びエネルギーを除く総合指数で2.5%の上昇である。 物価高の要因は、ウクライナ戦争と円安である。上記の数字を見れば、エネルギー価格の上昇が物価を引き上げる最大の要因であることがわかる。石油、天然ガスなどのエネルギー供給がウクライナ戦争で減少した上に、円安である。輸入品の価格は軒並み上がらざるをえない。 ウクライナ戦争については、日本には停戦を実現させる軍事力も外交力もない。 また、円安については、公定歩合の決定は日本銀行の専権事項であり、金融緩和続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』