フランスの核戦略と原子力発電

 マクロン仏大統領は、4月5〜7日の訪中期間中に、欧米メディアのインタビューで、台湾危機を巡って欧州は米中の双方から独立した戦略を追求すべきだと述べた。欧州は米中間の第3極であるべきだとして、マクロンは、「最悪の事態は、欧州が台湾問題で追従者となり、アメリカのリズムや中国の過剰反応に合わせねばならないと考えることだ」と語った。さらに、防衛産業、通貨などで、欧州は米国に依存せず、独立性を高めるべきだと主張した。  日米同盟が基軸の日本とは異なるこのマクロン発言の背景は何か。 第一は、先の第二次世界大戦で、日本は敗戦国、フランスは連合国の一員で戦勝国、そして、国連安全保障理事会の常任理事国である。つまり、拒否権を持ち、アメリカと対等である。敗戦国で、枢軸国のメンバーであったドイツやイタリアも日本と同様な状況に置かれており、自国内に米軍基地がある。なおイギリスは、アメリカとは伝統的なアングロサクソンの絆があり、ときに困難はあっても、英米同盟は盤石である。 第二は、フランスが独自の核兵器を保有していることである。ロシアがフランスを核攻撃した場合、フランスは核兵器によって反撃する。つまり、モスクワやサンクトペテルブルクを攻撃する能力のある核戦力を持つというのが、フランスの核抑止力戦略である。したがって、フランスは中距離核を保有している。続きをみる

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