中国やロシアとどう付き合うか

 米中貿易摩擦は激化し、中東、ベネズエラ、欧州などでアメリカとロシアの影響力競争が展開されている。 東西冷戦は民主主義陣営の勝利に終わり、より自由で、より平等で、より豊かで、より安全な世界が到来するという楽観主義が支配した。それから30年近くが経つ。しかし、現実は期待とは反対の方向に動いている。移民排斥に見るように、自由への障壁は増え、格差・不平等は拡大し、テロ・軍拡などが平和を乱している。 ロシアについては、ゴルバチョフやエリツィンを念頭に置いて、「自由を抑圧したソ連邦」から「自由なロシア連邦」へ移行したと思っている日本人が多い。しかし、プーチンのロシアはそうではなく、専制的な体制に近い。ウクライナへの対応を見れば、国際社会での振る舞いもそうである。しかし、自由な民主主義体制はこの「現代のツァーリ」を前に無力である。 中国については、共産党の一党独裁が続いており、習近平もまた「現代の皇帝」となって専制的傾向を強めている。鄧小平の改革開放政策により、「社会主義的市場経済」導入し、GDPでは今や日本を抜いて世界第二位の経済大国続きをみる

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