日韓対立をどう解消するのか

 11月23日にはGSOMIAが失効する。アメリカは韓国にGSOMIA破棄決定を撤回させようとしているが、それは中国やロシアや北朝鮮を利することになるからである。 日本も韓国も頑なに自らの主張を堅持し、チキンゲームのような危険な状況になっている。日韓関係は最悪とも言える状況に陥っているが、両国の経済にもマイナスの影響を及ぼしている。観光地では韓国人客が激減し、観光関連産業は大打撃を被っている。事情は韓国でも同様である。 現在の日韓対立の直接的な原因は徴用工問題である。 戦後賠償については、1965年6月には、日韓基本条約が結ばれ、両国間で請求権の完全かつ最終的な解決が図られた。日本側は、経済協力金として、無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドル以上を供与・融資を行い、韓国側は対日請求権を放棄した。 日本政府は、無償の3億ドルは、徴用工などの個人からの請求への支払いに使うべきだと主張した。韓国政府は、ごく一部はそれを実行したものの、3億ドルの95%は経済発展に使われたのである。それは、貧しい韓国が経済的に「離陸」することを優先したからである。 1965年の基本条約によって、損害を被った個人の請求権が消滅するものではなく、それは参議院予算委員会における外務省局長答弁でも「存在し得るものである」と明言されている(1991年8月27日)。ただ、その請求権には、日本政府ではなく韓国政府が対応すべきだという取り決めなのである。したがって、そもそも個人の請求権は消滅したのではなく、その請求先が日本政府ではなく、韓国政府だということなので続きをみる

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