感染症の危機管理:新型インフルエンザ対応の教訓(19)PCR検査やワクチン接種の優先順位をどうつ

 新型インフルエンザが流行した2009年、厚労大臣の私は全力をあげて対策を講じていたが、夏に解散総選挙ということになってしまった。概算要求の時期でもあり、政権交代がほぼ確実だったが、民主党政権になっても感染症対策が継続できるように予算面で手を打った。 感染症との戦いに、選挙は邪魔になる。韓国では、2020年4月15日に総選挙が行われるが、今の新型コロナウイルスの感染拡大状況での実施は無理なような気がする。 2009年8月26日には、私は、感染症や小児科の専門家をはじめ、難病の子どもを支援するグループの代表など、様々な分野の専門家と新型インフルエンザについて意見交換会を開いた。 この場で、私は、海外から輸入するワクチンについての取り扱いにも言及した。まずは国内で治験を行わずに輸入できる薬事法上の特例承認の制度を適用することにする、しかし安全性を確認するため小規模であっても臨床試験を実施することを言明した。 また、ワクチンの副作用については、国が救済する補償制度を特別立法で導入する考えを示した。いずれは感染症法や予防接種法を抜本的に見直す必要があるが、それまでの間は、時限的な特別立法で切り抜けようと言うのが私の考えであった。 8月27日、私は、2010年度の厚生続きをみる

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