迷走続く日本の新型コロナウイルス対策:PCR検査不足のツケ

 5月1日に、専門家会議は、日本の実効再生産数が4月10日には全国で0.7、東京で0.5まで下がっていると発表した。この数字だけを見ると、緊急事態宣言は解除できるはずである。 日本は、これまで感染増を上手く抑えてきたとされ、世界から評価されてきたが、最近急に感染者数が増え、世界は日本の対応に疑問を投げかけつつある。4月16日、安倍首相は、緊急事態宣言の対象地域を全国大に拡大したが、さらに5月31日まで延長する意向である。 日本の問題は、PCR検査数を極端に抑えてきたことである。 クラスター対策のみに終始し、政府の対策本部もクラスター対策班主導、マスコミも拡声器のようにその宣伝を行ってきた。そのツケが市中感染の増大である。 同じような失敗を犯したのが、アメリカであり、保健衛生予算のカットによって、CDCの能力も殺がれ、品質の悪いPCR検査キットを配布するなどしたために、検査に遅れが生じ、今の惨状となっている。 日米とは逆に、ドライブスルー・システムも動員して、PCR検査を徹底的に行った韓国では、今や一日の感染者がゼロになっている。 ヨーロッパでは、排外主義的なポピュリズムが跋扈してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、影響力が減退している。自分の命にかかわる状況で、極右の扇動に乗る暇などなくなったからである。 PCR検査の推進に反対したことが間違いだっ続きをみる

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