このところ、毎年、日本列島各地で集中豪雨によって甚大な被害がでている。この異常気象の背景には地球温暖化がある。トランプ政権がパリ協定からアメリカを離脱させたが、それはこの問題への地球規模の取り組みを遅滞させることになっている。 異常気象は今年の夏だけの一過性のものではなく、今後も続くと考えたほうがよく、豪雨や台風で洪水や高波の被害もまた常態化するという前提で危機管理を行ったほうがよい。 2020年オリンピック・パラリンピックの開催時に、高温多湿の酷暑、そして集中豪雨に東京が襲われたらどうするのか。テロ対策も重要であるが、自然が相手の災害は人間の力では阻止できない。 5月下旬に、江戸川区が「江戸川区水害ハザードマップ」を発表したが、表紙に「ここにいてはダメです」と書かれており、話題になっている。実は、昨年8月22日に、江東、江戸川、葛飾、足立、墨田の江東5区広域推進協議会が、高潮や河川の氾濫による水害について、「江東5区大規模水害広域避難計画」を、ハザードマップとともに発表している。 この江東5区は荒川と江戸川という二つの大河川の流域にあり、両者が同時に氾濫した場合、最悪のケースで9割以上、つまり250万人の住む地域が水没し、約100万人が住む江戸川区西部と江東区東部などでは2週間以上浸水が続くという。また、浸水の深さが10メートルに達する地域もあるという。 都知事のとき、私はこの地区を視察し、都の防災計画を立案したが、江戸川区は、東から旧江戸川、新中川、中川、荒川、旧中川と河川が多く、しかもそれ続きをみる『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』