議会制民主主義は生き残れるか

 参議院選挙後の国会が、明日、8月1日に召集される。「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る会」の二つの小政党が話題をさらっている。SNS時代の選挙の新しい潮流とも言えるが、政党要件などの仕組みなどにも関心が向けられている。 イギリスでは、ジョンソン政権が誕生し、EU離脱の行方が注目されているが、イギリス下院は「決められない議会」の典型となっている。議会制民主主義の祖国で、この状態である。そこで、選挙制度について考えてみよう。 第一次世界大戦後に誕生し、当時の世界で最も民主的と言われたドイツのワイマール共和国は、民意を完全に議席に反映させる選挙制度として完全な比例代表制を導入した。その結果、多くの政党が乱立し、安定した連立政権を形成することに失敗し、ナチスの台頭を許してしまった。 そのため、第二次世界大戦後に、西ドイツは小選挙区比例代表併用制を採用し、全国投票率が5%未満の政党には議席を与えないという制度(5%条項)を導入している。 これに対して、イギリスは小選挙区制度であり、保守党と労働党の二大政党が議席の大半を占めることになる。そのため、安定政権はできるが、民意が正確に反映されずに死票が多くなる。得票率が52%対48%であれば、48%の民意は切り捨てられることになる。実は、この数字は国民投票の「離脱」対「残留」の比率でもある。 もし、イギリ続きをみる

『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』