3・11から10年:当時の菅直人民主党政権への怒り

10年前の東日本大震災のとき、私は上海にいた。急遽帰国して、日本の惨状に驚愕するとともに、当時の菅直人政権の対応に怒りを爆発させたものである。私は、自民党を離党し、新党改革の党首であったので、民主党でも自民党でもない立場から公平に見て批判したのである。2011年3月17日に書いた文章を掲載する。*      *      * 未曾有の大震災である。地震、津波の被害に加えて、福島第一原子力発電所の事故である。人命救助、被災者の支援、復興と課題は山積している。 しかし、政府民主党の反応は鈍い。以下では、危機管理の要点を念頭に置きながら、改善策をまとめてみる。 まずは、強力な司令塔が不可欠だということである。広報は、官房長官が行っているが、最重要事項は、内閣総理大臣が国民に直接説明すべきである。そして、官庁の縄張り意識をねじ伏せて必要な政策を前に進めるのが首相の仕事である。蓮舫氏を節電担当にしたり、辻元氏をボランティア担当にしたりする思いつき人事をするくらいなら、既存の官僚組織を十分に稼働させることが先決である。 被災地への食料、水、医薬品、燃料など物資の輸送が滞っている。輸送のインフラは国土交通大臣の所管である。ところが、担当大臣の顔をテレビで見ることがない。高速道路の通行規制も、物資輸送を優先するのならば、規制は柔軟に解除してよい。役人は、規制を守る。それは、何か問題が起こったときに、彼らは責任を取りたくないからである。だから、政治家が大臣となっているのである。自らの責任で政治判断をす続きをみる

『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』