日本維新の会が市議選全選挙区擁立表明で減税日本に動揺
日本維新の会が市議選全選挙区擁立表明で減税日本に動揺
昨年11月24日、日本維新の会の藤田文武幹事長が愛知県庁で記者会見を開き、4月9日投開票の名古屋市会議員選挙の全選挙区に公認候補を擁立する方針を明らかにしたことで、減税日本内に動揺が広がっている。
もともと減税日本所属議員は、他党の議員のように地域活動や後援会活動、市民を巻き込んだ政策立案活動を進める議員はなく、選挙の際に耳障りの言い公約を並べていわゆる無党派層を取り込む形で選挙戦を戦っている政党。したがって南区においても地元に根差した活動をしている人の中では、私の知る限り減税日本の支援者は知らない。そこへ無党派層に支持者が多い日本維新の会が減税日本と決別する形で、候補者擁立を進めるとの表明をしたことで、減税日本にとっては思わぬ逆風が吹いた形となった。
さらに、減税日本元市議の2名が減税日本では市民のための政治は実現しないと異を唱え、日本維新の会から出馬することとなったため、減税日本代表をつとめる河村市長が「徹底的に戦わせてもらう」と対決姿勢を鮮明にしたのもうなづける。
減税日本と日本維新の会との蜜月関係が転機を迎えたのは、やはり松井一郎大阪市長の日本維新の会代表の退任。河村市長と松井大阪市長の関係に基づいた減税日本と日本維新の会との選挙協力だったが、もともと、マイナンバーカードフル活用を推進する日本維新の会とマイナンバーカードに全面反対の減税日本では、多くの政策が水と油の関係。さらに日本維新の会は議員年金に反対する一方、河村市長は議員年金受け取りを自ら衆議院事務局に申請したことが判明しているなど、身を切る改革でもその立場は全く違う。
さて、2021年10月31日投開票の衆議院議員総選挙で、日本維新の会は得票率15.5%に及んだ。この数字からすると、名古屋市議選において選挙区定数4~5人以上であれば議席を獲得する可能性がある。
■ 2021年衆院議員選挙(愛知第4区:瑞穂区、熱田区、港区、南区)
工藤 彰三(自民) 78,004(43.7%)
牧 義夫(立民) 72,786(40.8%)
中田 千代(維新) 27,640(15.5%)
※ 2021年10月31日投開票
日本維新の会の名古屋市議選参戦で、自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党のそれぞれ所属市議の中にも次期市議選に向けた危機感が広がっており、各選挙区で熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。