「ヨコイさん、長年、お世話になったが、今週末で店を廃業することになった。」
私どもが経営する保育園・高齢者施設等に、50年以上にわたって新鮮なお肉を配達していただいていた「お肉屋さん」。奥さんが突然、入院することとなったため、店主ひとりではお店を回すことができず、廃業の決断に至ったという。衛生が徹底しており、また、仕事が正確であることから、本当に信頼していた取引先だっただけに、残念でならない。
また、そもそも「お肉屋さん」がまちの中にはほとんどなく、代わりのお店がなかなか見つからない。仮にお肉屋さんがあったとしても、配達ができない、保冷車がないなどの理由で、品質基準をクリアすることができないこともしばしば。次の店探しも困窮を極めることが予想される。
平成になって以来、大店法が撤廃され、日本列島の隅隅まで、大型量販店やイオンをはじめとしたスーパーが進出して商店街はシャッター街と化してきた。また、ネットショッピングも個人商店の経営に深い影を落としている。さらに飲食店でも金太郎飴のように全国チェーンが席巻するなど、流通が大きく変化している。
もはや、肉屋さんや八百屋さん、魚屋さん、豆腐屋さんなど、令和の時代を生き抜くとこは困難となってしまったのか。