修学旅行は実施できるのか

6月4日付けで名古屋市教育委員会より、「令和2年度の学校行事について」という通知が各学校に出された。これは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念される中、学校行事のあり方について、名古屋市教育委員会としての考え方をまとめるとともに、各学校に注意喚起を求めるもの。すでに教育委員会から「教育活動再開時の対応と、授業時間数確保のための措置について」という学校での日常における通知がなされており、今回は行事のあり方に限定して通知したものとなる。

通知の中で、「運動会・体育大会等の『健康安全・体育的行事』、学芸会、作品展、文化祭、合唱コンクール等の『文化的行事』については、新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点とともに、それぞれの学校行事の意義や必要性を確認しつつ、実施・延期・中止について、学校ごとに判断します。実施する場合には、以下の点に留意し、計画・運営等を行うこととします。なお、修学旅行の取扱いにつきましては改めてお知らせします。」と最終的な行事実施の可否の判断は学校にゆだねた。

そして、留意点として3点求めている。

■ 学校行事を実施するにあたっての留意点
〇 多くの児童生徒が一斉に参加するなど、通常の形では行わない。実施時期や参加人数、会場・活動場所、実施方法等を工夫し、最大限の感染防止対策を講じた上で細心の注意を払って行う。
〇 来賓や地域住民は招待しない。
〇 行事実施の際の参加者の位置が把握できるように、参加者(出席者)名簿や座席表を作成する。 

つまり、運動会などを実施する場合には、従来のように全校一斉に実施するのではなく、学年ごとに実施するなど、子どもたちが密にならないように配慮したり、仮に児童生徒の中で感染者が出た場合、誰がどこにいたのかをトレースできるよう子どもの位置を把握しておくこと、会場に不特定多数の者が入らないよう参観は保護者に限るなどを求めている。この考え方は、他の行事にも同様に活かされる。

■ 修学旅行について
すでに中津川野外学習(小学校5年生対象)や稲武や野外教育センターでの活動(中学校2年生)など、長時間にわたり、児童生徒が密な状態で活動するものについては、今年度の実施を見合わせることを名古屋市教育委員会は決定しているが、今回も実施の可否について言及を避けたのが小中学校における「修学旅行」。一方で、実施時期も日に日にせまっており、教育委員会は6月末から7月にかけて実施の可否についての判断を求められる。

教育委員会としては、子どもたちにとって一生の思い出となる修学旅行は何としてでも実施したいというのが本音。一方で、旅行先でクラスターの発生があるのは何としても避けたい。子どもたちの感染リスクをどこまで軽減できるのか、教育委員会あげて検討している模様。一方で、学校によって旅行先はまちまち。小学校では京都・奈良方面が多く、中学校では東京・千葉方面が多いのが名古屋市内の学校の現状。

京都・奈良は感染拡大がおさえられているようにみえるものの、東京など関東方面は感染者が依然として多いように見える。一方で、東京における感染拡大は歌舞伎町などの夜の繁華街が中心であり、子どもたちの修学旅行にはあまり関係ない。

宿泊先やバスの中での感染拡大は防ぐことができるのか、そして現地での自主的主体的学習への安全は担保できるのかなど、想定される場面は尽きない。

私個人としては、修学旅行における場面ごとの感染リスクを最小限まで軽減できる手法を感染症の専門家等を交え徹底的に究明し、なんとか修学旅行は実施してあげたいと願う。

■ 令和2年度の学校行事について (←click)
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横井利明
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