海洋ごみの約70%をしめるプラスチックごみ。海の生き物や鳥が誤飲したり、摂食したりする実態が報告される中、プラスチックが環境や生態系に及ぼす影響が懸念されている。打ち上げられたゴンドウクジラのお腹から8㎏、マッコウクジラのお腹からからは30kgのプラスチックが検出されるなどあらゆる生物にとって脅威になっている。
わが国では年間1人当たりおよそ300枚のレジ袋を消費しているが、たった1枚のレジ袋が海に流れ着くと10万個以上のマイクロプラスチックになるといわれている。レジ袋を受け取らないなどプラスチックの使用量を徹底して減らしたり、プラスチックは必ず分別回収し、散乱させたりしないなどの心掛けが必要とされている。
さて、このマイクロプラスチックの問題を取り上げたのは斉藤たかお議員(自民:中村区)。プラスチック対策のビジョンを策定すべきだと質したところ、環境局長は「プラスチックは近年ではごみの問題だけではなく、海洋生物への被害、地球温暖化など様々な環境問題につながっている。」との認識を示したうえで、「使い捨てや大量消費が当たり前となっている市民や事業者の意識を変えていくためには、来年度、プラスチックの削減に向けた総合的な対策について、市民意識調査を行い、先進技術や幅広い意見を取り入れながら、本市のビジョンを早期に取りまとめたい。」と決意を述べた。
しかし、現実はスーパーのレジ袋有料化に憤慨し、商品を捨て置いたり、店員をどなりつけたりするなどのトラブルが各地で数多く発生しているのが実情。私たち消費者自身が生活を見つめ直し、あふれ出るプラスチックごみのいく末に強い関心を持ち、これ以上、地球環境を破壊しない市民の行動に、ビジョンがつなげることができるのかどうかが問われている。