ドバイ政府(UAE)では、ドバイをスマートシティ化するために「Smart Dubai 2021」を進めている。
■ スマートシティとは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的としたまちづくり
さて、ドバイのスマートモビリティ戦略を進めているのが、交通局であるRTA(Roads and Transport Authority)。RTAは地下鉄、路面電車、バス、タクシー、海上輸送サービスなど、すべての交通サービスを運営またはコントロールしている。
RTAでは、すでに、地下鉄全線を自動運転化。また、2030年までにドバイにおけるすべての交通手段の25%を自動運転とする戦略「Dubai Autonomous Transportation Strategy」を策定している。
■ 現在計画中の公共交通
〇 自動運転EVバス「pods」
ファースト・ラストワンマイルの自動走行車の候補として、10人乗り長さ2.87m、幅2.24mの立方体形状の「pods」が無人走行で連結したり切り離したりして走行。バスとしてもタクシーとしても利用が可能。
〇 空中タクシー
「Autonomous Air Taxi(AAT)」サービスの導入をめざし、2017年から試験飛行をおこなっている。2022年には実用化するという。
〇 Hyperloop
飛行機を超える1200㎞程度の速度でチューブ内を走行する磁気浮上式高速鉄道、ハイパーループを検討。ドバイ、アブダビ間を12分で結ぶ。
また、RTAはドローン配達の可能性を実験中。さらにはUber と協力して、垂直離着陸車両用の乗客サービスUber Elevateを開始している。
名古屋市総合計画2023において、本市も「最先端モビリティ都市の形成」を掲げ、歩行者中心の道路空間へ変えていく「みちまちづくり」に取り組むとともに、「SRT構想」を策定するなど、あらたな公共交通のあり方等を模索している。また、官民連携し、都心部でもバスの自動走行運転の実現に向け議論が始まっている。ドバイのスマートモビリティ戦略をいかに名古屋市の戦略に活かすことができるのか、正直、戸惑いの方が大きい。