ナゴヤの子どもたちに元気を!笑顔にするプロジェクト 名古屋市教育委員会

新型インフルエンザ感染症拡大に伴う緊急事態宣言発出に伴い、子どもたちは学校が休業になったり、外出自粛要請がなされるなど、通常の生活ができない状態となっている。4月に入り「家庭内DVに関する相談が増えてきた(市担当者)。」との憂慮すべき事態の中で、家庭内での児童虐待への懸念も高まっている。

子どもの中には、やるべきことが見つからない、やる気がしないという児童・生徒もいるだろうし、家でテレビゲームをしたり、ごろごろしたりしているだけの子どもの様子を見て、なおさら腹が立つという保護者の声もうかがう。

学校教育の役割が子どもへの教育にとどまらず、子どもたちの安全、子どもたちを取り巻く家庭の支援や児童生徒の心のケアなどの教育福祉全般に期待される今、名古屋市教育委員会では、子どもたちを心の面から支えるため「ナゴヤの子どもたちに元気を!笑顔にするプロジェクト」と題して、動画メッセージを送っている。

「ナゴヤの子どもたちに元気を!笑顔にするプロジェクトちゃんねる」では、市内の小中学校で教諭をつとめる先生による特技の披露や、科学館や博物館など名古屋市の施設の紹介、ナゴヤスクールダンササイズなど、自宅に居ながらオンラインで楽しむことができる。

■ ナゴヤの子どもたちに元気を!笑顔にするプロジェクトちゃんねる (←click)

また、教育委員会は各小中学校等に対しても、子どもたちを安心させたり励ましたりするメッセージや運動、子どもたちが興味関心を引くような文化的なもの等を、YouTubeを使って可能な限り動画配信するよう求めている。

しかし、各学校に必ずしもYouTubeに堪能な先生がいるわけでもなく、各校での取り組みが活発に行われているとはいいがたい。ヨコイも地元の小学校に対して、「ナゴヤの子ども元気・笑顔プロジェクト」への参加にあたっては、YouTubeの撮影、編集、アップまで一貫してお手伝い(無償)させていただく旨の提案をさせていただいたが、各学校では様子見というのが正直な思いだろう。

また、学校の決断を躊躇させている理由のひとつに、インターネット環境がない家庭や自宅にパソコンやタブレットがない児童生徒にいかに対応すべきかで戸惑っている面もある。日本は、欧米や韓国よりも、学校のICT環境の整備も、授業等でのICT活用も家庭とのICTの連携も、各段に遅れているが、その弊害がここにも影響してきている。

4月に入学して以来、一度も学校に行っていない子どもたち、新学期になって、まだ担任の先生の顔と名前が十分に理解できていない子どもたち、いつ学校が始まるかわからず不安いっぱいの子どもたちがいっぱいいる。家庭におけるインターネット環境整備についてはモバイルWi-Fiで、端末についてはタブレットのリースでなど、解決の手法はないことはない。また、YouTubeの撮影、編集、アップなどは、地域の方々の手を借りれば、決して解決できない問題ではない。また、将来のオンライン授業にも大きな力を発揮する。

新型インフルエンザ感染症の拡大で間違いなく社会は変わりつつある。この機会にぜひチャレンジしてほしいという願いを込めて、すでに市長にはオンライン授業等の着手について文書や口頭で再三要求している。タイミングよく令和2年度予算においても児童生徒1人1台タブレット環境の実現に向けた整備計画策定のための調査及び有識者会議を設置するための事業である「ナゴヤ・スクール・イノベーション事業(9億7,585万円)」も予算化されている。ぜひ早急の検討を期待したい。
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横井利明
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