どまつりの開催の可否を判断するための諮問委員会開催

この地方を代表する感染症を専門とする著名な教授、ドクターの先生方にお集まりいただき「第22回どまつりの開催可否を判断するための諮問委員会」が名古屋市役所で開催された。どまつりを主催するにっぽんど真ん中祭り文化財団のねらいは、「市民参加の祭りであるからこそ、決定までの過程を透明化するとともに、その決定の根拠を市民の皆様と共有したい。」

そこで、感染症、災害・救急医療、観光の専門家、さらに行政も加えた第三者機関を設置して、客観的な立場から開催の可否について闊達な議論を期待するとともに、議論の中身やプロセスまでも市民の皆様に明らかにしたいと考えた。少なくともある日突然、中止が決まってしまったという不透明な決定だけは避けたかったのだろう。

5月27日に開催された「開催可否を判断するための諮問委員会」では、どまつりを19の要素に分解。「日程」「場所」「熱中症対策」「参加チームの限定」「運営方法チームの移動」「ボランティアの活動領域」「祭りの規模開催期間」「周辺の店舗への影響」「救急医療体制」などの観点から開催に向けた可能性を追求した。

委員の先生方からは、「名古屋を代表するまつり」「ナゴヤをアピールするまつり」「20年をこえる伝統的な行事」「中止にしてしまったら残念」「名古屋のPR、地域経済への貢献を考えるとき、限定的な開催で何とか可能性を探りたい。」とのフレーズがポンポンと飛び出し、どまつりへの愛着・期待の大きさを感じた。

その結果...

■ 第22回どまつりの開催可否を判断するための諮問委員会の意見
・第22回にっほんど真ん中祭りは開催する。
・ただしいつものスタイルでの集合という形での開催は厳しい。
・オンライン開催、映像中心のようなものに。全世界に発信するチャンスとする。
・パブリックビューイングなどを実施する際には、クラスターが発生し、感染者・濃厚接触者が出たときに感染者が追える仕組みがほしい。スマートフォンのアプリなど活用し、イベント参加者、接触した人が後から追える仕組みが必要。パブリックビューイング会場は屋外でおこない密集を避ける。
・どまつりの理念につながるイベントにする。
・来年にどうつなげるのか。これまでの蓄積の集約のようなどまつり。アピールできるようなものを作り上げる。

日本各地の踊り子が従来のように名古屋に集結してイベントをするのではなく、この22年間の集大成となるような過去の映像をオンラインで流したり、また日本各地の踊り子の練習風景やパフォーマンスの様子を映像で流したりしながら、次回以降にどまつりのコンセプトがつながるようなオンラインイベントにすることが想定される。今後、にっぽんど真ん中祭り文化財団は、「第22回どまつりの開催可否を判断するための諮問委員会」の意見をもとに、5月29日にも今年のどまつりの開催のあり方を決定する見通し。

■ 第22回どまつりの開催可否を判断するための諮問委員会委員
〇 浅井清文(名古屋市健康福祉局医監兼名古屋市保健所長)
〇 北川喜己(名古屋大学医学部附属病院特命病院長補佐・名古屋掖済会病院副院長・救命救急センター長)
〇 中村敦(名古屋市立大学大学院医学研究科臨床感染制御学教授)
〇 松雄俊憲(名古屋市観光文化交流局長)
〇 八木哲也(名古屋大学大学院医学系研究科臨床感染統御学教授)
※ 50音順

■ 第22回どまつりの開催可否を判断するための諮問委員会意見の概要
北川(座長)
どまつり文化財団専務理事の水野さんから概略を。

水野
第22回のどまつりは8月22日から4日間の開催を予定。県内23会場。
お祭りの内容は40人から150人のチームでダンスをおこなう。234万人の集客がある。

北川
踊り子が2万人。来場者が235万人とのことです。では、委員の皆さんから順次ご意見をいただきたい。

浅井
まず市の感染状況を説明したい。
2月半ばからスポーツ施設、福祉施設で感染が拡大した。2つの波が起き3月末から4月は感染者が増えた。その後、関東や海外からの感染が増えた。緊急事態宣言でおさまった。
名古屋市と流行地との交流でウイルスが入る可能性がある。
東京などから流入した方の感染が懸念。
札幌雪祭りも不特定多数の方が集まって感染が拡大した。接触した人が後から追える仕組みが必要。
インフルエンザも夏の感染は冷房が原因と考えられる。夏だからと言って油断はできない。人の移動など工夫した開催の可能性はある。
・クラスターが発生し、感染者・濃厚接触者が出たときに感染者が追える仕組みがほしい。スマートフォンのアプリなど活用する。

中村
1999年から20年をこえる伝統的を有する重要な行事。お祭りをぜひ継続してほしいという願いはある。開催を考えることは厳しいと思っていたが、ここへ来て状況は動いている。しかし、今、判断するとなるとタイミング的にはきびしい。難しい時期の判断を迫られる。
当初は愛知名古屋は全国3番目の要請患者。行政関係者の努力で2次、3次のクラスターを抑え込んできた。
全国的なイベントであり、海外からもお客さんが来る。会場で密集した形の開催は今でも厳しいと言わざるを得ない。会場や参加者を限定する必要がある。
万が一の感染に備え、個人の登録をする必要があるが、登録していない人が思わぬ人も参加する。個人情報も厳しく登録は難しい。
おまつりがオンラインシステムでできるのか、発表の前の練習やトレーニングもどれだけリスクを回避できるのか、開催が取りやめとならないような工夫が必要。前向きに考えてほしい。
規模が大きく、そこまでに至る動線や飲食にも検討。本来の形でのいつものスタイルでの集合という形での開催は厳しい。
感染リスクを考えると、40分やって20分休憩するとか。場所と工夫による。

八木
愛知県はクラスター対策が首尾よくいった。大阪や東京のような感染の拡大はなかった。ありがたいことだった。どまつりを開催する条件としては感染者の追跡ができること。韓国では参加者登録の番号が偽物だった例もある。個人情報保護の縛りもあり、個人の自由を確保すると同時に個人情報を縛ることは難しい。
ナゴヤをアピールする祭り、中止してしまうのは残念だ。今、緩和を進めていく中で、人の出が交流すると、患者が増える可能性もある。楽観的に言えば夏の間はいいだろうという意見もあるが、人の交流が始まったと同時に患者が増える可能性もある。海外からの参加で患者が増えることも。先が読めず判断は難しい。
感染対策などで検討すると、野外であろうとも大勢の人数が集まるのは、間隔をとれば屋外も上限なしとなるが、まだ難しい段階か。限定的な開催、オンラインとかで名古屋発の発信など考える価値のある検討だと思う。注意喚起を行ってチームの人数の上限を決めて、映像など収録したものを持ち寄ってやるのであれば可能かもしれない。
練習をどう注意したらいいのかなど具体的なアドバイスもほしい。熱中症対策なども考えなければいけない。開催するとすれば、オンラインの可能性がある。コンテストの意味合いはなくす。がんばりすぎると感染症対策などへの配慮がなくなる可能性があるから。許される中で持ち寄って開催するのであれば可能性がある。限定的な開催で何とか可能性を探る。
最近はジョギングするときもマスクをという流れになっている。布製は通気性がいい。ユニバーサルのマスクにいかにシフトするのか。

松雄
どまつりの観客数は市民の人口をもこえる。大きなまつり。日本最大級の祭りであり、名古屋のPR、地域経済への貢献、どまつりの岡田理事長にも感謝している。2か月前、水野専務理事から電話があった。今すぐ判断すべき状況ではないと申し上げた。
国は緊急事態宣言解除、県も解除した。行政の責任者としての判断はむずかしい。
屋外のイベントは200人まで認められている。235万人の祭りの開催は密接を防ぎながらやるのは、なかなか苦しい。これまでのままの状況のどまつりは厳しい。
8月の最後の週のどまつりはみんながぶつかり合いながら踊る。どまつりのブランドは守ってほしい。

北川
大規模イベントの開催については徐々に緩和してきているが、予測は難しいのが本音。落ち着いている状況であれば、限定的な形で開催できるが、仮に第2波が来るなどの状況では開催は難しい。
通常のスタイルでの開催は難しいというのが結論だろう。ではどんな形か。19の要素がある中でどの点を減らしたらいいのか。
サジェスチョンをいただければありがたい。どんな形の開催が可能性があるのか。

浅井
スポーツ施設でのクラスターはスタジオプログラムの中で発生している。練習をしていただく際に、喚起の悪いところで行うのは危険。練習は屋外でやってほしい。体育館でも危険。ウイルスを持った人がいると感染が広がる可能性もある。
マスクをつけると血中酸素濃度が99から97に下がる。薄いマスクでやるなど工夫が必要だろう。

中村
会場が屋外であれば、マスクは必要ないだろう。また、涼しい時間にやるといった検討があってもいい。屋内の安全性の担保は難しいので、屋外でやった方がいいだろう。

松雄
開催が厳しいというのが行政の意見。感染症対策をきちっとやって、どまつりが開催できるということであれば、意義があり行政としても応援していきたい。火を消さないようにしていただければありがたい。

北川
①の縮小案、②のオンラインで開催案、③の実施を見送り案の中では、どれがいいか。

浅井
3つ案の中では②のオンラインが望ましい。人数が集まる危険性を考えると。

中村
①はリスクがある。危険なかけ。名古屋市内でクラスターが起こった場合には突然の中止もある。②は見込みが立てれる。全国ネットで会が開催できる。イベントの存在も全国に知らしめる。

八木
会のコンセプトとの折り合いがどうつくのかが大切だ。オンラインでもやめにするよりはいい。地域の伝統を持ち寄り交流するのがコンセプトであれば、次回の開催の一部に入れることができるようなヒントになる形でできる。踊りそのものの出来上がりを出すのではなく、今から練習しても間に合わない可能性もあり、どれだけ目指してどれだけやったというものを残せば。コロナに打ち勝った時に振り替えることができれば。パブリックビューイングも間引けば可能か。感染に注意してやることが必要。来年にどうつなげるのか。これまでの蓄積の集約のようなどまつり。アピールできるようなものを作り上げる。

松雄
オンライン、映像中心のようなものに。夏から秋を感じる祭りに。どまつり最終日の日曜日にはパブリックビューイングで映像を見ながら、久屋大通で秋の風を感じながらの祭りを楽しむのもいい。

北川
映像を用いた限定的な開催。今までお世話になったスポンサー企業や関係の方々への恩返しの位置づけでもいいのではないか。みんながどうやって地域の中で活躍している、無理して踊るのではなく、そんな位置づけがどまつりの理念につながる。
祭りが開催できる状況かといえば今、8月末を予測するのは難しい。映像を用いた形であればリスクは低い。工夫して映像を用いたイベントにするという提言を岡田理事長にしたい。

中村
パブリックビューイング、イベント参加者が追える仕組みを検討してほしい。
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