訪日外国人消費動向調査 2019年年間値の推計(観光庁)によると、愛知県の訪日外国人観光客数は287万7,036人。1人当たりインバウンド消費額は50,777円、訪日客のうちわけは第1位が中国 165万5,340人(56.93%)、第2位が台湾 349,150人(12.01%)、第3位が香港 185,492人(6.38%)だった。
さて、愛知県訪日外客動向調査によると、愛知県を訪れた外国人観光客の51%が名古屋城を訪れている。とりわけ復元されたばかりの名古屋城本丸御殿の書院造の御殿の内部は、障壁画や飾金具などで絢爛豪華に飾られ、江戸時代の先端技術を注いだ近世城郭御殿の最高傑作としての風格を再現するなど、外国人からも高い評価を得ている。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、海外との交流を全て止めた。愛知県訪日外客は大きく減少し、特に、海外からのインバウンドに依存していた名古屋城の入場者数(4月から8月)は91%減少した。
■ 令和2年度名古屋城入場客数(令和元年度)【対前年度比較】
4月 10,775人(28,2561人)【96%減】
5月 199人(226,278人)【100%減】
6月 21,208人(139,213人)【85%減】
7月 30,302人(134,635人)【77%減】
8月 25,423人(222,148人)【89%減】
合計 87,907人(100,4835人)【91%減】
元々、中国を始めとしたアジアの訪日客に依存してきた名古屋城だが、新型コロナウイルス感染症の影響は今後数年は続くと言われており、地元の方々を呼び込むような戦略への転換が迫られている。そのキーは、見せる名古屋城から文化を体験したり、アミューズメントを通して歴史や伝統、文化に親しむことが可能な名古屋城ではないだろうか。現在、観光文化交流局でも一過性の対策ではなく、国内からの観光客や愛知・名古屋の方々に継続的におこしいただける方策を模索している模様。各団体からも名古屋城が活況を取り戻すための様々な提案がなされており、私としてもしっかり取りまとめたい。