名古屋市は2月10日、令和3年度名古屋市予算案を議会に示すとともに市民に向けに公表した。
一般会計予算は令和2年度に比べ5.2%増の1兆3,193億円。5年連続で過去最大を更新した。一方、市税収入は令和2年度に比べ6.5%減の5,591億円。バブル崩壊後やリーマンショックの際と比較しても、これだけの落ち込みはなく異常事態となっている。
■ 令和3年度市税収入
市税収入 5,591億円(▼388億円)
■ 令和3年度市税収入の内訳
個人市民税 2,280億円(▼42億円)
法人市民税 445億円(▼161億円)
固定資産税 2,060億円(▼160億円)
都市計画税 454億(▼29億円)など
※ ( )内は対前年比
税収は過去最大の落ち込みとなった一方、予算規模は過去最大ということは、とりもなおさず借金頼みの積極予算ということ。借金返済のために積み立ててきた公債償還基金から70億円を借り入れるという禁じ手を使うほか、市債を令和2年度に比べ41.3%増の1兆2,900億円発行する。
新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい経済情勢のなか、歳入の根幹である市税収入は個人所得の減少により個人市民税が、企業業績の悪化により法人市民税が、それぞれ大幅な減収となっており、また、固定資産税は新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置により、やはり大幅な減収となっている。財政局は基金の取り崩しや市債の発行など、これだけの財源をよく調達したというのが率直な感想だ。