貯金に励む名古屋市

令和3年度末、名古屋市の貯金(基金)はついに3,000億円を突破する。

■ 名古屋市基金現在高見込額の推移
平成28年度末 2,283億円
平成29年度末 2,371億円
平成30年度末 2,544億円
令和元年度末 2,657億円
令和2年度末 2,754億円
令和3年度末 3,133億円

一般家庭であれば「貯金」が増加することは望ましいことかもしれないが、自治体経営においては貯金の増加だけをもって喜ぶわけにはいかない。本来、税収は収めた方々に還元すべきものであり、後の時代の方々のために留保しておくべき性格のものではない。もちろん「借金」についても同様のことがいえ、だからこそ地方自治体においては一部の例外を除き、「赤字市債」の発行は法で禁じられている。

一方、本市においては喫緊の課題が山積しているものの、その多くは調整が難航し停滞している。例えば、リニア周辺のまちづくりなど構想どまりで実際の事業は全く動いていない。このままではリニアに乗って名古屋まではわずか40分で移動することが可能となっているものの、乗り換え空間や他交通との接続などは止まったままとなっており、「迷駅」解消のめどはたっていない。

財政的な見通しが未だたっていないアジア競技開会も調整不足が顕在化。事業も相当遅れてきた。

新産業の創出や新たな雇用、都市の競争力の強化につながるようなDXへの取り組みも、全国でも本市だけマイナンバーに反対していることから完全にフリーズしたまま。民間企業の方々はこの名古屋においてはビジネスチャンスを大きく失っている。

観光や経済、雇用や子どもたちへの教育、交通政策やSDGsに対する投資も他と政令市に比して大きく後れを取っているのが実情だ。市長肝いりの制作である名古屋城天守閣木造復元も完全に停滞したまま。計画では2022年完成だったはず。

民間企業では当たり前となっている「投資」と「回収」といったサイクルが機能せず、「投資」もしないが「回収」もしないといった本市の姿勢は、名古屋市の発展に大きく水を差すことになりかねない。
PR
横井利明
PR
minami758をフォローする
政治家ブログまとめ