千島問題は自分事となっているか

 私用もあって、今日は一休み。合間に「消えた『四島返還』」(北海道新聞社)を読み進めているのですが、安倍元首相の責任は重いと痛感します。結局、経済援助のみが残っただけでなく、日本の主権に対する考え方を落とし込めてしまった責任も重い。国会で追及した者の1人としても複雑な思いがよぎります。

 岸田首相が外相だった当時、もちろん安倍首相の方針や意向は承知していたはずです。ウクライナ侵略をきっかけに領土交渉は中断していますが、今回も千島諸島についても、その不当性を鮮明にすることが大前提。それでこそ国際世論になると思います。

 ロシア側は「戦争の結果」として認めよと言い張りますが、その根拠としてのヤルタ協定が不公正なものということを引っ込めてはならない。安倍元首相は当時、私の質問にも「そうはいっても1ミリも領土は動かなかった」と答弁しましたが、譲歩したことが今の結果なのではないのか。何よりロシアの根っこには大国主義・覇権主義があるからです。

 同時に、元島民が故郷を奪われた思いを考えると、道理の主張や議論の土俵づくりとともに、墓参やビザなし交流はじめ可能なことを実現できるように私も力を尽くしたい。漁業も制限され続けただけでなく、拿捕や銃撃なども受けてきました。領土が返還されていれば、根室市の経済は間違いなく今より良くなっていたでしょう。尖閣諸島や竹島とも違う、具体的に影響が出ている領土問題は道東地方の課題ではなく、北海道の中心課題であり日本の主権問題です。

 国民・道民の多くも、どれだけ千島問題を自分事ととらえているでしょうか。身近にとらえてもらえるように、私も力を尽くしたい。

 【今日の句】どうしても 遠い故郷 近くへと

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畠山和也
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